【記者座談会】道路定期点検要領改定案/山手線新駅名が決定 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【記者座談会】道路定期点検要領改定案/山手線新駅名が決定

A 道路の定期点検について、国土交通省は新技術の活用促進などを盛り込んだ点検要領の改定案を示した。
B 道路橋やトンネルに対する5年に一度の点検が一巡するに当たって、効率化できる部分を整理するとともに、有用な点検支援技術は積極的に活用できるようにしようという考えだ。
C 背景にあるのは点検を実施する地方自治体の負担増加。大部分の自治体では職員数の大幅な増加が見込めない中で、今後さらなる老朽化の進展が予想される。国交省の調査では自治体の8割が予算面、6割が職員の労務面で負担を感じていると回答した。一巡目の点検は何とかやりきったが、今後継続していけるのか不安を抱えている自治体は多い。
D ただ国交省は、点検間隔の延長や内容の簡潔化には慎重だ。点検義務化は笹子トンネルの天井板落下事故をきっかけとしているだけに、点検の質を下げかねないことは認められない。
B そういった意味で、新技術活用は効率化と質の確保の両立に貢献できるだろう。6-8日には東京ビッグサイトで、社会資本の老朽化対策をテーマとした展示会が初めて開催された。約100者が出展し、建設業以外にも大手化学メーカーなどが出展し、市場としての注目度や関心の高さがうかがえた。
D 点検に次いで今後ポイントとなってくるのは、点検結果を踏まえた修繕の実施だ。これまで自治体が点検を実施した橋梁のうち、次回点検までに措置を講ずべきと診断された橋梁の修繕着手割合は1割程度にとどまっている。
C 予算、労務どちらをとっても小規模自治体のインフラ維持管理は限界がきている。国による支援の充実や民間活用を進めなければ課題の解決にはつながらない。

新駅名称「高輪ゲートウェイ」は応募総数6万4,052件を参考に決めた。山手線で半世紀ぶりとなる新駅は東京オリンピック前の2020年春に開業する

新駅名称、まちづくりのコンセプト投影

A 話は変わるけど、今月に入ってから新駅や路線の名称決定が相次いだ。
E 1番の注目はJR東日本が品川~田町駅間に建設中の新駅、「高輪ゲートウェイ」だろうね。山手線30駅目にして初めて横文字が入るなど話題になったが、違和感があるといった否定的な意見もあるようだ。
F カタカナ交じりの駅としては、1990年代の天王洲アイルや東京テレポート、2000年代に入ってから品川シーサイド、流山セントラルパーク、越谷レイクタウンなどが開業した。これらに共通するのは、何もなかった土地にまちを整備した点だ。まちのコンセプトを駅名に投影している。
E そういう意味では高輪ゲートウェイも同じで、駅西側7.2haに4街区総延べ約85万㎡のまちをつくる。深澤祐二JR東日本社長は「未来を切り開くシンボルとしてまち全体の発展に寄与する」と、選定理由を説明した。
F 東京メトロ日比谷線の新駅は「虎ノ門ヒルズ」に決まった。選定段階で他の案としては、銀座線・虎ノ門駅と直結することから「虎ノ門」をそのまま使う案や、地名を取って「虎ノ門一丁目」などが候補に挙がっていたようだ。
G 一方、東急と相鉄の神奈川東部直通線の新路線は「東急新横浜線」と「相鉄新横浜線」に決まった。相鉄新横浜線の西谷駅~羽沢横浜国大駅が先行する形で19年度下期に開業し、JRと相互直通運転が始まる。羽沢横浜国大駅から新横浜駅(仮称)と東急新横浜線の新横浜駅(仮称)~日吉駅は22年度下期に開業予定で、いよいよ両社が直通運転で結ばれる。
A 鉄道に限らず、施設は長く使われることで愛着がわき、やがて定着していく。思いがこもった名前にふさわしいまちになるといいね。

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