【無人搬送車@建設現場】三井不動産と大林組が資材などの自動搬送システムの開発に着手   | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【無人搬送車@建設現場】三井不動産と大林組が資材などの自動搬送システムの開発に着手  

 三井不動産と大林組は、建設現場で資材などを自動搬送するシステムの開発を始める。低床式AGV(無人搬送車)が資材を積んだ専用パレットを自動で識別し、目的地まで運搬する。仮設エレベーターも自動で乗降し、建物内を上下移動できる。2019年から千葉県船橋市の「三井不動産ロジスティクスパーク船橋II新築工事」で実証実験を始める。

AGVにはセンサーとカメラを搭載

 システムは大林組が15年に開発した低床式AGVを基に、資材探索と自律制御の機能を追加した。AGVにはレーザーセンサーに加え、パレット探索用とパレット識別用の2つのカメラを搭載する。
 オペレーターがタブレットから指示を出すと、AGVはレーザーセンサーで周囲の環境と自己位置を検出。収納式の探索用カメラを立ち上げて、資材を積んだ専用パレットを探し出す。
 識別用カメラではパレット側面部の2次元マーカーを読み取り、目的の資材を見分ける。識別後はパレットの下に潜り込み、ジャッキアップして搬送。目的地で荷下ろしする。最大700㎞まで対応する。
 仮設エレベーターにも自動で乗降できる。乗り込む際にAGVはオペレーターのタブレットへ乗車待ちの信号を送る。オペレーターは指定の階にエレベーターを移動させる。オペレーターの指示後、AGVは自動で乗り降りする。オペレーター1人で複数のAGVと交信できる。AGVは横行やその場での回転が可能。従来の自動運転で必要だった磁気テープなどでの軌道の設定も不要となる。
 今後、三井不動産はオフィスビルや物流倉庫など新築案件での標準採用を目指すとともに、技術を活用してごみの自動搬送など竣工後の建物での応用も検討する。大林組は高層ビルなど大規模新築工事での夜間自動搬送の実現による省人化を目指す。

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