竹中工務店は、デジタル測定機器とBIMを連携する設備検査手法を開発した。測定データをBIMに取り込み、測定書、写真、図面で構成する管理帳票を自動で出力できる。実証では水圧・満水試験の検査時間を2割短縮し、照度測定と風土測定は測定人数を2人から1人に削減した。
今回の開発では、コンピュータシステム研究所の「BIM/CIM Ark」を使い、BIMに測定データを取り込むシステムとユーザーインターフェースを作成した。デジタル測定器の測定データがBIMとひも付き、同社書式の管理帳票を自動で出力できる。
水圧・満水試験ではタブレット端末のBIMデータ上で検査対象の配管をなぞり、測定範囲を指定する。測定データはBIMに取り込まれ、合否判定の試験結果のグラフと位置情報、写真が入った帳票を自動で出力する。
照度測定はまずBIM上に検査個所となる測定点を設置する。照度計の測定データがBIMに取り込まれ、従来は事務所で算出していた平均照度も自動で導き出す。
風量測定も同様に測定点を設置する。風速計のデータは現在地のほか、直近20サンプルの最大値、平均値、最小値を取得し、BIMにひも付ける。測定後のデータは測定点に表示されるため、測定漏れの防止につながる。
既に3現場で適用しており、19年はさらに5現場への導入を目指す。今後は空圧試験器や絶縁抵抗計、温湿度ロガー、風速計などのBluetooth対応測定機器とBIMの連携も進める。