【女性活躍工事】「都としても後押ししたい」 小池百合子知事が現場を視察 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【女性活躍工事】「都としても後押ししたい」 小池百合子知事が現場を視察

 東京都の小池百合子知事は28日、都が女性活躍工事として進めている「環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事」の中間立坑JV事務所(練馬区)を視察した。女性の働きやすさに配慮したJV事務所と、計測室でICTを活用した現場施工を視察した小池知事は「建設業で女性がもっと活躍できるように、都としても後押ししたい」と語った。施工は大成建設・鹿島・大林組・京急建設JV。

事業の説明を聞く小池知事

 女性活躍工事は、監理技術者、現場代理人、担当技術者のいずれかに女性技術者を配置し、女性専用の休憩室・更衣室、快適トイレを設置するもので、都はこれまで38件のモデル工事を実施している。
 監理技術者で工事課長代理の小松祥子さん(大成建設)は小池知事への説明で、女性が働きやすい環境として、子どもを産み、育てたい女性も安心して働き、重責でも交代ができる職場の雰囲気づくりをして「重責(現場代理人・監理技術者)への女性の配置推進」を進め、「キャリアアップが望まれる30代から40代でも重責につける環境になればいい」と話した。このほか、妊娠中でも現場管理が可能で、現場を離れる期間が少なくなる「ICTを利用した遠隔現場管理の推進」や、職場復帰がしやすく、重責に就いた場合に柔軟に対応ができる「保育園施設の十分な確保」が必要だと話した。
 視察を終えた小池知事は「建設現場で女性への配慮ができれば、男性も快適になり、いざという時は避難所などにも有効に活用できる。調節池の整備は費用もかかるが、被害が起こった時のコスト、人命を考えると、防災の重要性を体現している」と語った。
 小松さんは「建設業は人が生活するに当たって、よりよい環境を支える仕事で、つくることの楽しさがある。多くの女性に建設業を目指してほしい」と語った。
 同広域調節池(石神井川区間)は貯水量約68万1000m3の地下トンネル式で、25年度の事業完成を目指す。同区間が完成することで、神田川、石神井川、白子川の各流域を横断する環状七号線地下広域調節池が全体完成し、神田川・環状七号線地下調節池と、白子川地下調節池も含めた総貯留量は約143万m3となる。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら