全国圧入協会(JPA)は1日、建設コンサルタンツ協会認定CPDプログラムとして「圧入工法技術講習会・現場見学会」を岡山県で開催した。午前の部・午後の部の2回開催し、約100人が受講した。国土交通省中国地方整備局岡山河川事務所、岡山市、瀬戸内市などの職員も参加した。
現場見学会は、岡山河川事務所発注で元浜組が受注し、JPA会員の高槻組が施工する「吉井川寺山地区災害復旧工事(岡山市東区寺山)」で行われた。同工事では、圧入工法の唯一の弱点とされていた玉石混じり砂礫層や岩盤など硬質地盤への圧入を可能にした「硬質地盤クリア工法」(900ハット形鋼矢板)が採用されている。
硬質地盤クリア工法の特徴は玉石混じり砂礫層や岩盤など硬質地盤への圧入を可能にしたことに加え、騒音・振動を大幅に抑え、周辺環境への影響を最小限にできる。芯抜き圧入によりオーガー掘削径を最小限に抑えるため排土量を抑制し、周辺地盤を乱さない。
さらに軽量・コンパクトなので、市街地や狭い場所、水上、傾斜地、鉄道近接個所などでも施工できる。
また、杭の搬送やつり込み、圧入という連続作業を杭頭部上で行うノンステージング工法を組み合わせることにより、重機やクレーン付き台船が設置できない狭い現場や水上、傾斜地など、作業条件の厳しい現場の課題も解決できる。
岡山県内では、2018年7月豪雨で甚大な被害が発生し、緊急的、集中的に治水機能の強化を図るべく緊急治水対策工事が進められている。その中で1月中旬から3月にかけ、高梁川、小田川、吉井川などの複数の現場で圧入工法が採用されており、20台以上の技研製作所の圧入機「サイレントパイラー」が同時稼働する。