まずは業界のことを知ってほしい--。大阪府建団連の建設業雇用推進研究会が23日に大阪市の大阪産業創造館で開いた「建設専門工事業職種(おしごと)説明会」は、専門工事会社の担い手確保に向けた思いであふれた。建団連主催の学生向け合同説明会は初の試み。会員企業19社が参加し、学生や学校関係者ら約60人が訪れた。
鉄筋工事を専門に活動する富田興業(兵庫県西宮市)の富田勇代表取締役も思いは同じだ。「社員の高齢化が深刻だが、まずは学生に仕事の中身に興味を持ってもらうことが先。ものづくりの楽しさを知り、夢を持って業界に入ってもらいたい」と強調する。
2年前から40代中心の経営に若返りを図った北梅組(大阪市)の北浦雄之助代表取締役は「10年先、20年先を見据え、業界をアピールしていくことが必要。これからも次につながる活動をしていきたい」と先を見据える。
説明会では来春就職予定の学生だけでなく、今春まだ就職先が決まっていない学生にも参加の機会を与え、就職指導の教員も相談に訪れた。一貫坂彰建設業雇用推進研究会委員長は「これまでも雇用推進の取り組みは進めてきたが、会員企業が直接向き合う場の設置は初めて。今回の成果を踏まえ、来年度も開催をしていきたい」と話す。研究会加盟71社のうち、約7割が求人を出しており、説明会では19社がブースを出展した。