【2020年ドバイ万博】日本館は揺らぐような柔らかい建物に ソフト的なレガシーを大阪・関西万博へ | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【2020年ドバイ万博】日本館は揺らぐような柔らかい建物に ソフト的なレガシーを大阪・関西万博へ

 2020年のドバイ国際博覧会に向け、日本館の広報事務局は22日、東京都港区のミッドタウン・タワーでオープンセッションを開催した。日本館のクリエイティブ・アドバイザーを務める齋藤精一氏(ライゾマティクス代表取締役)をファシリテーターに迎え、日本全体の万博に対する機運を高めようと、ドバイ万博に向けた準備状況を説明した。25年の大阪・関西万博の1つ前の登録博(大型万博)として、万博のあり方や参加意義などについて意見を交換した。
 ドバイ万博は、20年10月20日-21年4月10日の173日間、アラブ首長国連合(UAE)のドバイで開催される。「Connecting Minds,Creating the Future(心をつなぎ、未来をつくる)」をテーマに、中東・アフリカ地域では初めての登録博となる。

(左から)齋藤氏、東氏、永山氏、小西氏


 日本館の建築設計を担当している建築家の永山祐子氏(永山祐子建築設計取締役)は、「固い建物ではなく、揺らぐような柔らかい建物にしたい、優しい紙のような表現を建物に施したいと考えた」と語り、「建物前面に水盤を設け、気化熱を使い涼しくするとともに、人や風の動きによって見え方が変わる幾何学格子と、折り紙形状の薄い皮膜を合わせた“3次元の現代障子”をファサードに用いる」と設計の意図を説明した。
 東哲也経済産業省博覧会国際企画調整官は、「ドバイ万博を活用し、どのように25年の大阪・関西万博への参加をアピールしていくかということは実務的な観点で非常に重要だ」と指摘した。
 日本館クリエイティブ・アドバイザーの小西利行氏(POOL代表)は、「(太陽の塔やエッフェル塔など)ハード的なレガシーは残りやすいが、ソフト的なレガシーも、20年のドバイ万博から25年大阪・関西万博、さらにその先へとつなげられる仕組みを立ち上げたい」と期待を込めた。
 ドバイ万博の日本館は、永山氏がNTTファシリティーズとの協働で設計を進めている。施工者は未定となっている。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら