【記者座談会】過去最長10連休のGW/平成最後の〇〇 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【記者座談会】過去最長10連休のGW/平成最後の〇〇

A 明日から過去最長10連休のゴールデンウィーク(GW)になるけど、建設業への影響は。
B まず10連休になる理由は、2018年12月に、天皇陛下即位の日である5月1日を祝日とする皇室典範特例法が制定され、祝日法で前日と翌日が「国民の祝日」である日は休日とする規定があるため、4月30日と5月2日も休日となった。いずれもいわゆる「旗日」の扱いとなる。
C 働き方改革の流れもあって、ゼネコンの事務職についてはほぼすべて10連休だ。現場でも「暦通りに休む」というところも意外に多かった。特に道路舗装会社などは、「通行止めにできないので休まざるを得ない」という状況だ。週休2日モデル対象工事では、年末年始6日間と夏季休暇3日間以外の旗日を閉所にすれば「週休2日」に換算できる上、旗日の閉所は技能者から理解を得やすいため、関東のある対象現場では、「GWを10日連続で閉所して閉所日を稼ぎたい」と言っていた。
D ただ、やはりどうしても中日に現場を開けざるを得ない現場もあるようだ。日給月給の技能者のことも考えれば、すべて閉所してしまうと困る人が出てくるということがある。
C ゼネコンの管理部門も頭を悩ましていた。年間5日間の有給休暇の取得を社員に義務付けているのに、せっかくの有給休暇を消化させやすいチャンスが旗日になってしまい、有給消化奨励日に充てられなくなってしまった。GW中に開所せざるを得ない現場の社員が、別の平日に休暇を取っても代休扱いになってしまい、どんどん有給消化が進まなくなる。管理部門にとっては頭の痛い問題だ。
B ただ、「建設現場も旗日は休み」という認識が広がるきっかけになってほしいという思いもある。

4月20日に開業記念セレモニーが開かれた常磐線広野駅~木戸駅間の新駅「Jヴィレッジ駅」は『平成最後の新駅』となる

◆気分高揚も令和は気を引き締めて

A ところで、今回が“平成最後”の記者座談会になるね。
E だからといって特に話題があるわけではないけれど、この間、平成最後というフレーズはよく聞いた。例えば、入社式の社長メッセージでは多かった。話の始め方としてはとても使いやすいようで、平成を振り返った上で、令和の時代の担い手である諸君はと続く流れが非常に多かった。
C 企業のニュースリリースでも平成最後と令和最初をキーワードにした製品発表などが多かった。あとは、20日に開業記念セレモニーが開かれた常磐線広野駅~木戸駅間の新駅「Jヴィレッジ駅」のうたい文句も『平成最後の新駅』だ。
E 30年という期間も、一つの時代を振り返るにはちょうど良い長さで、多くの人が業界や自分の歩みを1度整理する良い機会になったのではないか。法律や入札契約制度、業界構造、技術などはすべて、歴史があってこそいまがある。いまの法律や制度、構造になった歴史を知らずに“改革”や“革新”を目指しても、過去の議論を繰り返してしまったり、本来の趣旨から外れてしまう。何事も土台を知ることはとても大切なことだ。そういう意味では、平成最後をきっかけとして時代を振り返るとても良い機会だったと感じる。
A 5月以降は、“令和最初”という言葉が多くなるだろうね。
F GW明けからは団体の定時総会が続くから、令和を話題にするあいさつはかなり多くなるだろう。1日に何カ所もハシゴして取材する身としては、毎回、令和の話を聞くと少し食傷気味になってしまうかも知れない。
A 新しい時代を迎え気分が高揚して景気浮揚につながるのは良いことだが、根拠のない浮ついた雰囲気になってしまうのは最も危険だ。業界全体が、しっかり気を引き締めなければならない。

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