【土木学会・インフラデータチャレンジ】最優秀賞はアニメで可視化「洪水・浸水シミュレーター」 | 建設通信新聞Digital

4月23日 火曜日

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【土木学会・インフラデータチャレンジ】最優秀賞はアニメで可視化「洪水・浸水シミュレーター」

 土木学会(小林潔司会長)は4月25日、東京都目黒区の東大駒場第IIキャンパスで「土木学会インフラデータチャレンジ」の最終審査会を開いた。1次審査を通過した15作品のプレゼンテーション、審査を経て最優秀賞にはアイデア部門の「洪水・浸水シミュレータ」(応募者・インディゴの松澤有三氏)が選ばれた。地形モデル上で浸水状態からの水の移動を動的に計算してアニメーションとして可視化するウェブアプリが高く評価された。

賞状を授与される松澤氏(左)

 最優秀賞に輝いた松澤氏は「今後、要素技術を展開させて、皆さんのお役に立てるアプリケーションをつくっていきたい」とコメントした。
 インフラデータチャレンジは、発展が著しいAI(人工知能)などの革新技術を土木分野の課題解決に適用し、土木とICTの融合を促進することを目的にコンテスト形式で実施。データ・ICTを賢く活用して、インフラ管理者や利用者が抱える課題を解決するアプリやアイデアを募集した結果、アプリ、アイデア、データの3部門合わせて84件の作品応募があり、うち、15作品が1次審査を通過した。
 実施に当たっては、インフラ管理者などの協力を得て、設計・施工・運営・維持管理などに関するデータを参加者に提供した。また、プラチナ・スポンサーとして協賛するNEXCO3社とパスコ、鹿島の冠賞にはそれぞれ2作品ずつが選ばれた。スポンサー賞のGTFS-JP賞は3作品に贈られた。
 土木学会の塚田幸広専務理は開会あいさつで、「今回のイベントは学会として初めてのチャレンジだったにもかかわらず、大勢の皆さんの協力を得て、本日を迎えることができた。協力いただいた方々にお礼申し上げたい」と関係者に感謝した。
 各賞の授与後、全体講評した国土交通省水管理・国土保全局河川計画課河川情報企画室の大坪祐紀企画専門官は、「どの作品を見ても非常に完成度が高く示唆に富んでいた。自信を持って実用化など次のステージに進んでいってほしい」と、社会の課題解決へ作品が貢献することに期待を寄せた。
 最優秀賞以外の受賞作品と応募者は次のとおり(肩書は応募時、敬称略)。
 〈アプリ部門優秀賞〉のってみりん=豊橋市役所産業部産業政策課、サイエンス・クリエイト(ウェブインパクト・木村博)▽My City Construction=東大・福田達也。
 〈アイデア部門優秀賞〉電車の座席売買マッチングサービス(Sheet Share)における鉄道利用者数データを用いた、最適な座席買取価格計算=東大工学部社会基盤学科・設楽広太▽防災のためのデータ整理と再活用=東大工学部社会基盤学科・野田智也、大屋茉莉菜。
 〈データ部門優秀賞〉国道・県道の構造的地理空間データ=東京電機大・小林亘▽Gray-Level Co-occurrence Matrixを用いた画像認識による高速道路の渋滞予測=神戸大・安田昌平、小倉大輝、佐々木泰、福嶋一矢。
 〈審査員特別賞〉QGIS Quick NDVI=MIERUNE・三宅光葉▽秋田県内の公共交通データ全線のGoogleマップ掲載=国際教養大学アジア地域研究連携機構・豊田哲也。

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