【記者座談会】日建連意見交換会が終盤/海建協の会員受注が過去最高 | 建設通信新聞Digital

5月8日 水曜日

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【記者座談会】日建連意見交換会が終盤/海建協の会員受注が過去最高

A 日本建設業連合会と国土交通省各地方整備局などとの意見交換会が終盤戦に入っているね。
B 5月9日の関東地区を皮切りにスタートした意見交換会も6日までに8地区を消化し、10日の北陸地区を残すだけとなった。取材を通じて感じているのは、各整備局などのレスポンスの良さだ。ここ数年、日建連側の要請に局長自らが前向きに対応する姿勢を見せるケースが増えているが、ことしは輪をかけている。局長自らの発言が多い地区とほとんどない地区もあるが、整備局側からの回答には働き方改革や生産性向上を着実に前進させようとする強い決意が感じられる。
C 時代も令和に代わり、改正労働基準法の施行や建設キャリアアップシステムの本格運用、特定技能外国人の受け入れなど、建設業を取り巻く環境変化が目まぐるしい。大きな転換期にさしかかり、整備局も建設業の持続的な発展を強く意識しているということだろう。
D 整備局などから前向きな意見を引き出している要因の1つには、日建連による詳細な参考資料の作成がある。会員アンケートに基づくデータを提示し、各発注者の取り組み状況が一目でわかる。取り組みの濃淡を意識させることで、対応が遅れている発注者のやる気を引き出し、全体としてのボトムアップを図るという作戦が功を奏している。
B 各地区では整備局長から、「さまざまな意見を聞き、発注者としてまだまだやることがあると実感した」「ほかの整備局にできて、われわれにできないことはない」などの発言が相次いだ。建設業を取り巻く環境変化に対応するため、受発注者は同じ方向を目指している。意見交換会を踏まえ、各発注者がより高いレベルで足並みをそろえ、建設業の持続・発展を後押しする施策が大きく前進することに期待したいね。

各地区の意見交換会では整備局から前向きな意見が相次いでいる(写真は5月29日に高松市内のホテルで開かれた四国地方整備局などとの意見交換会)

2割増えた現地法人が伸びけん引

A 話は変わるけど、海外建設協会が会員企業を対象にまとめた2018年度の海外工事受注実績によると、受注総額が調査開始以来の最高額を更新した。
E 受注総額は前年度比4.6%増の1兆9375億円となり、2兆円をうかがう水準となった。最高額更新は前年度から2年連続で、海外受注の規模拡大が鮮明になった。受注額の過半を占めるアジアで堅調に増加したほか、26.9%増と大幅な伸びを示した北米が大きく貢献した。
F 受注総額の法人別内訳は、本邦法人が13.3%減の7050億円だったのに対し、現地法人は18.7%増の1兆2324億円と2桁の伸びを示し、16年度の1兆1512億円を上回って過去最高を更新した。受注総額の地域別シェアを見ると、59.3%をアジアが占め、北米の24.4%を合わせると、2地域で全体の8割に達する。
G 過去最高額更新のけん引役は、前年度比から約2割増と大幅な伸びを示した現地法人の受注だ。また、過去に好調の目安とされてきた1兆円台から2兆円近くにまで受注額が拡大したのは、一部の企業による多様で徹底した海外市場の取り込みが大きな要因になっている。
E 大きく伸びた北米の状況について海建協は、市場シェアの高い米国の経済状況は良好で、今後も基本的には安定基調が続くと見通している。アジアは、東南アジアの高い成長率を背景としたリゾート、アミューズメント、工場などの需要が伸びている。今後も日本の建設企業が活躍できる場面が増えそうだ。

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