【長谷工コーポレーション】自社ビル内「LIPS」に内・外装サンプル1800点を集中展示 | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

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【長谷工コーポレーション】自社ビル内「LIPS」に内・外装サンプル1800点を集中展示

長谷工コーポレーションは、マンションの内装・外装などの各仕様を決めるためのプレゼンテーションスペース「LIPS」を東京都江東区の自社ビル内に設けている。メーカー80社約1800点におよぶ多種多様で最新の実物見本を集中展示することにより、実際に見て触れることでカタログだけでは判断しづらい商品や部材の選定を迅速かつ確実に進めることを可能とし、同社のマンションづくりに大きく貢献している。
 LIPS(リップス、Living Image Presentation Space)が誕生したのは1988年のこと。当時は商品・仕様説明を仮設のモデルルームで実施していたが、案件ごとに部材・商品のサンプルを収集する不効率や不使用時の保管場所などの問題を抱えていた。これらの課題を「サンプルの集中展示」という発想で解決することを考え、東京都港区にLIPSを開設した。その後、2010年の品川区への移転を経て、18年10月に移転・開設した現在のLIPSは3代目となる。
 同施設の主なターゲットは、ディベロッパーや販売会社などのこれから新たにつくるマンションに携わるプロフェッショナルたちだ。展示品はいずれもすぐに発注可能な実物見本で、これらを発注者のディベロッパーや設計者など関係者が一堂に会して確かめることで、イメージの統一が期待できる。また、指紋の付き方や角度による模様の見え方の違いなどのカタログからは確かめにくい要素について、サンプルに実際に見て触れて比較した上で選択できるのも強みだ。

多様な製品を見比べながら企画を練ることができる

現在のLIPSの展示面積は、10階と11階の2フロアで約1490㎡。11階の展示は「外装材コーナー」「住宅設備コーナー」「内装材コーナー」「電気設備コーナー」で構成されおり、順路に沿って一回りすることでマンションのモデルルームの計画を完了できるだけの展示をそろえている。展示品は年1、2回程度、それぞれのメーカーのカタログ入れ替えに合わせて順次更新している。
また、11階には3つのプレゼンテーションルームが設けられており、そのうちの1室にはVR設備を備えた部屋を新たに設け、BIMで設計した3Dモデルをプレゼン時に活用できるようにしている。エントランスには東大建築学専攻T_ADSと共同で制作した木製のパビリオン「URO-CO」を展示している。

印象的なパビリオンと木のにおいが出迎えてくれる

10階は、小口径・無勾配での長距離排水を可能とした「スマートサイホン」や長谷工アーベストの女性スタッフが中心となって考案した「U’sスタイル」の商品など長谷工グループの商品を展示するコーナーがあるほか、スペースを借りて商品を展示する「メーカー展示コーナー」、それぞれ仕様の異なる「提案型」「基本仕様」「Be-Liv」の3つのモデルルームなどを設けている。
「Be-Liv」は住宅としての基本性能は確保しつつ華美な仕様・仕上げなどの見直しによって販売単価を抑えながらワンランク広い住戸設定を可能とした商品企画。提案型のモデルルームには、家族構成やライフスタイルなどの変化に合わせて居室と収納の広さを変えることができる可動収納ユニット「UGOCLO(ウゴクロ)」をはじめとした同社が積極的にアピールしたい製品や技術が盛り込まれており、隣接する基本仕様と見比べることができるようになっている。
同施設の来訪者は、18年10月のオープンからの半年で約840人。今後はさらに、建て替えニーズなどの増加にあわせて団地やマンションの理事会の人々の来訪も見込む。エンジニアリング事業部の倉持美香デザイン室長は「まずは当社を知ってもらうために新規のディベロッパーは必ずご案内したい。すでに来て頂いた方にも年に1、2回は訪れてもらえるようなシステムを目指し、商品・仕様の変化を見てもらいたい」と語った。

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