【ベネチア・ビエンナーレ国際建築展】日本館キュレーターに門脇氏 生成プロセス見せる動態展示に | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

公式ブログ

【ベネチア・ビエンナーレ国際建築展】日本館キュレーターに門脇氏 生成プロセス見せる動態展示に

 国際交流基金は8日、2020年5月23日から11月29日までイタリア・ベネチアで開かれる「第17回ベネチア・ビエンナーレ国際建築展」の日本館展示のキュレーターが、建築家の門脇耕三氏(明治大学准教授)に決定したと発表した。タイトルは「エレメントの軌跡--建築の生産の連鎖をデザインする」。国内の木造住宅を解体し、ベネチアに移設することで循環型社会の構図を批判的に展示する。

キュレーターの門脇氏(右から 3人目)と参加建築家

 ベネチアまで運んだ解体部材(エレメント)を日本館内にストックし、部分別に展示台やベンチなどに「生まれ変わらせる」と同時に、欠損した部材を日本と現地で調達して建築家と職人の複数チームがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で情報交換し、元の住宅の一部記憶を生かしつつ再構築する。ネットの共同編集のように生成のプロセスを会期中続け、それを見せる動態展示となる。
 門脇氏はコンセプトを「建築によって立ち上がるのは、古い材料と新しい材料が混在し、設計(デザイン)と制作(ファブリケーション)の境界が融解し、幾人もの建築家や職人の創造性が重層する、新たに生まれ変わったキメラ(嵌合体)である」と述べた。
 展示チームは門脇氏のほか参加建築家、参加デザイナーなど計11人。ことし12月にコンテナが発送され、プロジェクトがスタートする。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら