【福岡・小石原川ダム】スピード施工20.6カ月で堤体が天端到達 2020年3月の完成を目指す | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【福岡・小石原川ダム】スピード施工20.6カ月で堤体が天端到達 2020年3月の完成を目指す

 水資源機構が鹿島・竹中土木・三井住友建設JV(山脇健治所長)の施工で進めている小石原川ダム(福岡県朝倉市、東峰村)の本体工事が大きな節目を迎えた。ダム中央のコア部分の盛り立てが無事終わり、11日に現地で水資源機構や工事関係者ら約600人が参加して「堤体天端到達式」が開かれた。2016年6月に現場着手し、17年九州北部豪雨、18年西日本豪雨と2度の自然災害に見舞われた中、盛り立て期間20.6カ月というスピード施工で九州で最も高い堤高139mの天端に到達した。今秋をめどに試験湛水を始め、20年3月の完成を目指す。

式典参列者による万歳三唱

 小石原川ダムは、洪水調節、水道用水の確保、異常渇水時の緊急水の補給を含む流水の正常な機能の維持を目的とした多目的ダム。型式は中央コア型ロックフィルダムで、堤高139m、堤体積約830万m3、総貯水容量約4000万m3、有効貯水容量約3910万m3となる。
 本体工事では、建設機械の自動化施工システム「クワッドアクセル」を使った初めての本格的な堤体盛り立てを行った。汎用の建設機械に計測機器や制御用PCを搭載して作業を自動化する工法で、1人がタブレット端末で複数の機械に作業指示を出せるほか、機械が自律的に判断して作業する。
 式典で鹿島JVの山脇健治所長は、延べ労働時間469万7644時間、延べ従事者数58万7206人をかけて到達したことなどを話した。水資源機構朝倉総合事業所の染谷健司所長は「2度の災害に見舞われながらも創意工夫と努力で乗り切った。天端到達は大きな節目であり、喜びを分かち合いたい。今後も安全に留意して施工してほしい」と述べた。

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