【内閣府】AI避難勧告システムを開発 2モデル自治体で実証実験開始 28年には1700自治体に実装 | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【内閣府】AI避難勧告システムを開発 2モデル自治体で実証実験開始 28年には1700自治体に実装

 内閣府が設置したSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)市町村災害対応統合システム開発グループは25日、AI(人工知能)を活用した災害時の避難勧告・指示等命令の市町村支援システムを開発するための実証実験を開始する。実証実験は、開発済みの避難判断支援の仮想プロトタイプ(定量情報判定)を使い、災害対応経験のある茨城県常総市と福岡県東峰村の2モデル自治体で実施する。

仮想プロトタイプのイメージ

 市町村災害対応統合システムは、災害時に市町村長が住民に対して避難勧告・指示などを発令するための判断の際にビッグデータやAIを活用してタイムリーに発令エリアを設定できるよう支援する「避難判断・誘導支援システム」、災害時における緊急活動を判断する情報を提供するとともに災害に即した必要な人や物資の情報を提供する「緊急活動支援システム」、リアリティーのある多彩なシナリオを自動生成する「訓練用災害・被害シナリオ自動生成システム」の3つで構成する。
 研究開発グループは九州大学や河川情報センター、KDDI、応用地質で構成し、2018年11月に研究開発に着手した。
 今回の実証実験で得られたデータやニーズを反映させてAI判定(定性判定)を含むプロトタイプを開発し、20年春にモデル市町村を追加して運用する。23年春には社会実装版を完成させるとともに運用を管理する体制を構築する。28年には全国約1700自治体への社会実装を目指している。

常総市役所で報告

 24日には、研究開発グループから塚原健一九州大教授や越智繁雄河川情報センター業務執行理事ら、関東地方整備局の佐藤寿延河川部長らが常総市役所を訪れ、神達岳志市長に実証実験の開始を報告した。神達市長は「関東・東北豪雨の時の全国の皆さんへの恩返しにつながる。4年間の教訓が生かされることにもつながり、全面的に協力したい」と述べた。

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