【世界的ブランドが日本初上陸】東京湾を望むアーバンリゾート地に「ハイアットプレイス東京ベイ」 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【世界的ブランドが日本初上陸】東京湾を望むアーバンリゾート地に「ハイアットプレイス東京ベイ」

 米国に本拠地を構え、世界各国でホテル事業を展開しているハイアットホテルズアンドリゾーツのブランド「ハイアット プレイス」が日本に初上陸した。パートナーを組んだのは不動産開発・賃貸・運営を手掛ける相互物産(東京都千代田区、小澤真也社長)だ。両社は東京湾を望むベイエリアに「ハイアットプレイス東京ベイ」を建設、都心からわずか30分のアーバンリゾート地で、オンとオフのシームレス空間を提供する。世界的デザイナーのコシノジュンコ氏が館内の装飾的なアートピースをプロデュースするなど話題満載だ。

コシノジュンコ氏ともコラボ

 ハイアット プレイス 東京ベイ(千葉県浦安市明海5-8-23)の規模は、S造地下1階地上10階建て延べ2万0926㎡。スイートルーム3室を含む363室の客室は、スタイリッシュなインテリアと落ち着いた色合いの家具が特徴的な使いやすさを追求した。1階のダイニング「ギャラリーキッチン」は、床から天井まである大きな窓が開放的な印象を与えるつくりにしたほか、最上階は東京湾を一望できるテラス席を設けた「ルーフトップバー」が広がるなど、7月の開業以来、気軽に“ステイケーション”(滞在+休暇の造語)を楽しむことができるホテルだ。
 設計を担当した石本建築事務所は、シンプル・ゾーニング、リゾート・スケープ、オールデイ・ファサードの3つのコンセプトで取り組んだ。建物を海側に配置して東京湾や公園の眺望を最大限生かしたほか、緑豊かなランドスケープで海辺リゾートを魅力的に演出。立体的なファサードは、昼は太陽による陰影を、夜は洗練されたライトアップで変化に富んだ表情を映し出す。3Dモデルや実物モックアップでの検証を重ね、斜めの壁を生かした外観照明と植栽のライトアップによって印象的な風景を生み出すなど、特に夜景にこだわった。

立体的ファサード

 施工を手掛けたのは北野建設。担当者は安全面について、「浦安の明海という土地は風が強く苦労した。鉄骨の建て方は強風時を避け、溶接時の風よけ養生や火花の飛散養生に注意した」ことを挙げる。
 外観の仕上げ精度向上にも注力した。外壁設置後に塗装すると、海風の影響でうまく仕上がらないと予想されたため、「室内に敷き並べて先行塗装して設置した」。外壁で意匠上特徴となるひさし部分の躯体は現場打ちにせず、工場加工することで高品質を保証したという。
 相互物産は『建物を通じた街づくり』を事業の軸に、1963年の創業から55周年の節目を迎える。小澤社長は、開業に先立ち開いた内覧会後の取材に対して、「縁があってこの地に進出した。これまでは商業施設やオフィスを中心に事業展開してきたが、今回はホテルにふさわしい立地としてプロジェクトを進めた。通常のディベロッパーは、建物をつくっては売却の繰り返しが一般的。しかし、開発したものは運営し続けるのが、われわれのビジネスモデルだ」と述べた。
 今後の戦略について、「都内でホテルやオフィス、商業施設が入る超高層ビルを計画している」ことを明かす。「目利き力で良い物件があれば買い、その場所に1番ふさわしい用途として開発し、成長させる」と意気込む。

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