【世界初】日本工営先端研究開発センターら ウミガメの甲羅から新属新種の甲殻類を発見 | 建設通信新聞Digital

5月10日 金曜日

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【世界初】日本工営先端研究開発センターら ウミガメの甲羅から新属新種の甲殻類を発見

 日本工営先端研究開発センターの林亮太研究員らの研究チームは、アカウミガメの甲羅の上から体長1mmにも満たない新属新種の超小型甲殻類(貝形虫)を発見、Chelonocytherois omutai(ケロノシセロイス・オオムタイ)と命名した。ウミガメの体表上に生息する貝形虫を種レベルで同定した世界初の事例となる。この研究成果は動物分類学の国際専門学術誌Zootaxaに7月2日掲載されている。

付着生物の採取の様子

 同社は、生物多様性の保全、環境DNAなどの調査・解析手法の確立や新規ビジネスへの活用を目的に、生物の網羅的な研究活動を行っている。その一環として屋久島(鹿児島県)の砂浜に産卵のため上陸したアカウミガメの甲羅の上に生息する微小甲殻類を対象に調査研究を実施した結果、甲羅上から採取された貝形虫は、これまで報告された属に含まれない新属の未記載種であると判断された。
 絶滅危惧種に指定されているアカウミガメの甲羅上には、さまざまな生物が生息していることは知られているが、詳細に調べた研究は多くない。今回発見された新種の貝形虫は、これまで保全対象として認識されることもなかっただけに、「どこに何がいるのか」という基礎的な知見を蓄積していくことは生物多様性の保全に必要不可欠なものとして、同社は今後も研究開発・事業を通じて生物多様性保全に向けた活動を推進していく考えだ。
 この研究は、科学研究費助成事業の支援のもと、京大野生動物研究センター、屋久島うみがめ館の協力を得ながら、ウミガメ捕獲等許可と特別地域内動物の捕獲許可を受けて実施した。

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