【夏のリコチャレ・NEXCO中日本】生の声を将来の参考に 中高生向け現場見学会に10人参加 | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【夏のリコチャレ・NEXCO中日本】生の声を将来の参考に 中高生向け現場見学会に10人参加

 NEXCO中日本が2017年度から開催している「夏のリコチャレ2019中学生・高校生向け現場見学会」が8月28日に開かれた。中・高生ら10人が参加し、E1A新東名高速道路(神奈川県山北町向原~川西)の建設現場などを見学した。理工系分野に興味がある生徒を対象に進路選択の参考として行われている。

山北スマートIC

 新東名高速道路川西工事は、延長約2.6㎞で清水建設・岩田地崎建設JVが担当している。16年7月に着工し、22年4月の完成を目指す。川西工事は、総盛土量約320万m3、最大盛土高70mを超える高盛土・大規模重機土工事である塩沢工区と切土量約83万m3、最大高低差約70mの大規模切土工事を行う向原工区の2工区に分かれる。総工事費は約250億円。
 生徒たちは主に塩沢工区の(仮称)山北スマートインターチェンジ(IC)や(仮称)谷ケ山トンネルの工事現場を見学し、土木工事のスケールの大きさを体感した。山北スマートICは24時間利用可能な本線直結型の東京方面へのハーフインター形式を採用する。同スマートICの整備により高速道路からのアクセス性向上、観光交流人口の増加や救急医療サービスの向上、災害復旧支援の迅速化、企業活動の活性化などが見込まれ、県西地域の広域的な活性化が期待される。

谷ケ山トンネルのセントル

 谷ケ山トンネルは山北町と静岡県小山町を結ぶ全長約2.8㎞の上下線ともに2車線のトンネルで、両県の県境までの1.2㎞を川西工事で施工する。生徒たちはコンクリート打設に用いるセントルや建設機械の説明を受け、熱心に写真を撮った。その後に行われたドボジョ(土木系女子)や若手社員との交流会では、土木にかかわる会社を選んだ理由や仕事の楽しさ、大学時代でやっておくべきと思うことなどを積極的に質問した。
 新東名山北事業PR館では新東名高速道路の模型で建設中の特殊アーチ橋である河内川橋(鹿島・大成建設JV)などの工事現場を俯瞰(ふかん)して理解した。また、VR(仮想現実)による完成イメージなどを通じて高速道路ができるまでを疑似体験した。そのほか、橋の構造を物理学的に学んだ。

新東名山北事業PR館

 続いて、生徒たちは川崎市のNEXCO中日本川崎道路管制センターとコミュニケーションプラザ川崎を訪問した。東京都、神奈川県、山梨県、静岡県、愛知県を所管する川崎道路管制センターではリアルタイムで渋滞、事故、故障車、緊急ダイヤルでの通報や地震情報など、高速道路にかかわることすべてを確認することができる。また、緊急時の警察などとの連携やほかの管制センターからの遠隔操作による業務の継続など、日々の高速道路の安全管理方法について学んだ。生徒たちからは「管制センターは何人で運営しているのか」「消滅という表示はどういう意味か」などの質問が出た。コミュニケーションプラザでは高速道路の建設や管理・サービスエリアの運営などを展示などから学んだ。

川崎道路管制センター

 NEXCO中日本の近川彰総務企画部広報・CS課課長代理は「学校の勉強はもちろん大事だが、こうした社会科見学を通じて、インフラについての見識を深めてもらえたらうれしい。自分にとって、本当にやりがいのある仕事は何なのかをこうした体験をもとに探していってほしい」と19年度のリコチャレを締めくくった。

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