佐藤渡辺は、東京都江東区の東京営業所の建て替えに伴い、寄宿舎スペースに設けている食堂の体制を一新した。従来は食事込みの条件でやってくる冬季の応援要員以外の利用率が低く、管理費に見合った価値のある施設とは言い難い状況だったが、職員へのアンケートに基づいて不満点を見直したことで、利用率が大幅に上昇。それに伴い、職員間のコミュニケーションも活発化し、営業所の結束を高める効果も現れている。
これらの改善を主眼に、衛生面の確保も加えて業者選定を進め、食器など什器の無料貸与などの好条件を提示したサンコー食品に新たな食堂の運営を委託。いまでは寄宿舎に居住する職員の9割以上が食堂を利用するようになった。
現在、食堂を切り盛りするスタッフは住み込みで、月曜日から土曜日まで朝食と夕食を提供している。献立はサンコー食品が作成した建設業向けのもので、食材は毎日新鮮なものを納入している。季節感や彩りなどをバランス良く取り入れ、かつ同じ食材・味付け、調理法などが重ならないよう飽きの来ないバリエーションに富んだ内容となっており、利用者からは好評を得ている。加えて、利用率を下げていた大きな要因である価格については、従来の3食1400円から1170円に低下。アンケートでは1300円未満なら利用したいという声が集まっていたが、それをさらに下回る金額を実現した。
食堂の利用率が向上したことで、職員間のコミュニケーションが活発になり営業所の結束に好影響を与えている。さらに、甲賀隆文所長は「朝食時に顔を合わせることで、体調を確認できるようになったことも大きい」とメリットを指摘した。