【大成建設の学術研究支援】初年度研究費助成の対象者が成果発表 20年度の研究助成も募集中 | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【大成建設の学術研究支援】初年度研究費助成の対象者が成果発表 20年度の研究助成も募集中

 大成建設が運営する「大成学術財団」(理事長・山内隆司会長)は3日、東京都新宿区の新宿センタービルで第1回の研究成果発表会を開催した。2017年度に財団を設立して以降、初めての対外的な催しとなる。技術者や研究者、学生ら約170人が参加。初弾となる17年度の研究費助成の対象者13人が研究成果を発表した。
 研究成果として提出を求める「研究助成報告書」(学術点)と、この日のプレゼンテーションに対する評価(発表点)の「学術点+発表点」によって、特に優れた研究成果を上げた選奨の受賞者を決定。3人の受賞者に和田章理事(東京工業大学名誉教授)からメダルと表彰状が手渡された。
 金賞を受賞したのは、北海道大の菊地優教授(研究テーマ=高摩擦すべり支承の熱・力学練成挙動解析システムの開発)。免震設計に対する重要な成果と新たな知見が報告されている点が高く評価された。
 銀賞は東京都市大の大鳥靖樹教授(同=複数同時またはシーケンシャルに発生する自然外部事象に対するリスク評価法の研究)、銅賞は東京理科大の伊藤拓海教授(同=IoTによる都市・建物の防災・避災・減災の高度化に向けた実用化研究)を選定。それぞれ複合事象に対する新しいリスク評価を提案している点と、研究手法に機械学習に基づくAI(人工知能)診断を導入した点が評価された。
 大成学術財団における活動は、同社グループの理念である「人がいきいきとする環境を創造する」ための学術的な研究費用への助成によって、次世代を担う研究者の育成と、その研究成果を通じた社会課題の解決が狙い。財団を設立して以降の3年間で計36件を採択。総額9742万7000円の研究費用を助成するなど、一貫して研究者の支援を続けている。
 同社の村田誉之社長は「産学の垣根を超えた連携はこれからますます重要になってくる。こういった取り組みを進めることが(建設技術の向上など)社会貢献につながっていく」と継続的な取り組みの重要性を強調した。
 その言葉を裏付けるように現在、11月15日までを期間に4年目となる20年度の助成対象者・研究テーマを公募している。応募要領などの詳細は財団ホームページから入手できる。

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