【JIA新潟地域会】彦根アンドレア氏が学生らに講演 自然との調和を目指した設計思想を語る | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【JIA新潟地域会】彦根アンドレア氏が学生らに講演 自然との調和を目指した設計思想を語る

 日本建築家協会関東甲信越支部新潟地域会(平原茂代表)は2日、新潟市の新潟市万代市民会館で第21回建築セミナーを開いた。彦根建築設計事務所の彦根アンドレア氏が講師を務め、「建築は説明することではなく感じること」と題して、自身が手掛けた建築事例を紹介しながら、設計する上で大切にしている点を解説した。学生を始め約100人が聴講に訪れ、彦根氏の言葉に熱心に耳を傾けた。

講演する彦根氏

 冒頭、あいさつした平原代表は「少しでも建築家を知ってもらいたくセミナーを企画した。設計業界も後継者に悩んでいる。セミナーを通じて、ものづくりは楽しいことだとわかってほしい」と呼び掛けた。
 続く講演で彦根氏は、自身が好む要素や建築に触れ、「自然と調和する、一体となる建築」を心掛けていることを説明。設計を手掛けた八ヶ岳の別荘の事例を紹介し、周囲の森と調和する建築を目指したことや、室内空間の大小、窓と壁のバランスを重視したことを解説した。
 母親や主婦としての目線を重視しながら設計していることも紹介した。自身も母親になったことで「建築の考え方が変わった」と話し、「健康的でサステナブルな建築をつくらなければならない」と設計思想を明かした。
 また、「新たなことに挑戦することは怖いことだが、その先には面白いことが待っていると信じている」と話し、シザーストラス構造を採用した店舗を設計した事例を取り上げた。木材を組み合わせて曲面を構成する特徴的な工法のため、施工者の選定にも苦労しながら特徴的な建物を完成させたことを振り返り、「建築にはさまざまな人が関わっており、彼らがプライドの持てる仕事をすることが大事だと改めて感じた」と強調した。
 講演後は大学生を始め、建築分野への進学を検討している高校生からも質問が出て、大盛況のうちに幕を閉じた。

学生を始め約100人が詰め掛けた

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