南海トラフ巨大地震による津波被害を想定した大規模な防災訓練が2日、和歌山市の下津港などで行われた。国土交通省と和歌山県、大阪府、和歌山市、堺市が主催、計134機関と約2900人が参加した。地震津波情報の伝達や道路啓開、排水作業などの訓練に本番さながらに臨んだ。
和歌山県の仁坂吉伸知事は「多くの機関が参加するので、日ごろの鍛錬の成果を見せて、災害時に連動し最大の効果を発現できるようにしてほしい」と述べ、尾花正啓和歌山市長も「啓開作業や救援・救出には連携が必須となる。地域の防災力を高めよう」と呼びかけた。
和歌山県南方沖を震源とするマグニチュード9.1、最大震度7の南海トラフ巨大地震により東日本大震災クラスの津波が発生したことを想定。NEXCO西日本関西支社や日本道路建設業協会関西支部、和歌山県建設業協会、日本埋立浚渫協会などが加わり、道路啓開作業や物資運搬作業などの作業を披露。ヘリコプターによる救助や流出した油の回収作業なども実施した。
訓練後、近畿地方整備局の井上智夫局長は「年に数回集まり、それぞれの役割を確認することが大事だ。実際の災害ではさまざまな困難が想定されるので、さまざまな実践的な訓練をしなければならない」と話した。
訓練会場には展示コーナーも設けられ、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の照明車や排水ポンプ車などのほか、参加機関の展示もあった。