【スペースポート紀伊】日本初!民間企業が建設 ロケット打ち上げ射場 起工式を開催 スペースワン | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【スペースポート紀伊】日本初!民間企業が建設 ロケット打ち上げ射場 起工式を開催 スペースワン

 清水建設、キヤノン電子、IHIエアロスペース、日本政策投資銀行の4社の共同出資により2018年7月に発足したスペースワン(東京都港区、太田信一郎社長)は16日、和歌山県串本町でロケット打ち上げ射場建設の起工式を開いた。民間企業が建設する日本初のロケット打ち上げ射場となる。
 ロケット打ち上げ射場の名称は『スペースポート紀伊』(英語名=SPACE PORT Kii)。21年夏の完成を目指す。初号機打ち上げは21年度で、20年代半ばに年間20回のロケット打ち上げを目指している。
 神事の後、あいさつした太田社長は「射場が完工したあかつきには、宇宙へのゲートウェーとして国内外の多くの衛星事業者の方々に利用してもらい、地元の皆さんに誇りを持ってもらえる射場となるよう努力していく」と述べた。続いて、施工を担当する清水建設の井上和幸社長は「施工に当たっては細心の注意を払うとともに、2年後の21年8月には高品質な施設を無事故・無災害で引き渡すため、全社を挙げて取り組む」と力を込めた。

ロケット打ち上げ射場の完成模型。手前が射点、奥がロケット組立棟

 打ち上げ射場の主な建物・設備は、ロケット打ち上げ射点、ロケット組立棟、総合指令塔など。組立棟ではロケットの組み立てや点検を、総合指令塔では射場全体の管理・運営のほか、人工衛星の整備や点検、ロケットの発射管制を行う。
 起工式終了後には祝賀会も開かれた。あいさつしたキヤノンの御手洗冨士夫会長CEO(最高経営責任者)は、「今回の射場建設によって、スペースワンが掲げる信頼性、即応性、柔軟性、低コストを実現させて、21年度の打ち上げに向け、宇宙ビジネスのさらなる拡大に貢献していきたい」と述べた。
 また、清水建設の井上社長は日刊建設通信新聞社などの取材に応じ、「宇宙開発というスタンスで取り組んでから相当の年月が経った。将来に向けての“清水ドリーム”の1つであり、ようやく小型ロケットの製作と打ち上げの入り口に立った」と述べるとともに「建設会社の新しいフィールドとして、一日も早く大きな事業にしたい」と意気込みを示した。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら