【清水建設ら出資「スペースワン」 国内初、民間ロケット発射場】"宇宙宅配便"事業を展開 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【清水建設ら出資「スペースワン」 国内初、民間ロケット発射場】“宇宙宅配便”事業を展開

 清水建設など4社の共同出資によって設立された「スペースワン」(東京都港区)が和歌山県串本町に建設を進めていた、小型ロケットの打ち上げ射場『スペースポート紀伊』が本格稼働に踏み出す。民間企業によるロケット発射場の保有は国内で初めて。いよいよ2023年2月末に初弾となる専用の小型ロケット「カイロス」の打ち上げが行われる見通しだ。

専用の小型ロケット「カイロス」発射イメージ(提供・スペースワン)

 小型ロケットの開発・製造や打ち上げといった宇宙輸送サービスの提供を行うスペースワンは、清水建設、キヤノン電子、IHIエアロスペース、日本政策投資銀行の4社の共同出資によって18年7月に発足した。
 顧客が持ち込む人工衛星をカイロスに搭載。それを保有するロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる、いわば小型ロケットを駆使した“宇宙宅配便”事業に取り組んでいく。
 カイロスは長さ約18m、幅約1・4m、重さ約23tの規模。太陽同期軌道(南方)であれば、高度500㎞で重さ150㎏までの人工衛星を打ち上げられる能力を持つ。
 これまで国家が主体となっていた宇宙事業に近年、民間ベースでの宇宙ビジネスが次々に参入して、新たな市場を形成している点に着目。特に右肩上がりで需要が広がっているという小型の人工衛星をターゲットに宇宙ビジネスの一層の拡大を狙う。
 和歌山県串本町に整備されたスペースポート紀伊は、ロケットの打ち上げ射点や整備棟、管制室が入る総合指令棟などで構成。清水建設の設計施工で21年12月に完成した。

ロケット発射場にある移動式射点組立足場(左)とロケット整備棟


総合指令棟にある 管制室 


 従来の大型ロケットよりも柔軟なスケジュールが組める専用の小型ロケットを使った打ち上げサービスによって、コンセプトである契約から打ち上げまでの「世界最短」(約1年)と、世界最高レベルの「打ち上げ頻度」(年20回)の実現を目指す。



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