【都心型エリアMICE】東京での誘致に期待 まちと一体+広域連携 全エリアで取り組む組織づくりを | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

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【都心型エリアMICE】東京での誘致に期待 まちと一体+広域連携 全エリアで取り組む組織づくりを

 MICE(国際的な会議・展示会など)誘致における国際間競争が激しさを増す中、シンガポールや中国などのアジア諸大都市の「オールインワン型」に対抗すべく、新たな取り組み「都心型エリア」を誘致する動きが始まっている。森記念財団が13日に開いた「第8回都市ビジョン講演会」の中で、本保芳明国際世界観光機関(UNWTO)駐日事務所代表は、東京での誘致の期待を膨らませた。
 本保代表は、都心型エリアMICEを「地域内に集積しているMICE関連の施設や地域資産を含めて、地域ぐるみで必要な機能を連携・充足する形態」と定義する。会議場、展示場、宿泊、飲食などを同一施設に集約する大規模なオールインワン型に比べ、まちと一体になる取り組みが特徴だ。
 本保代表は、東京の特性として、多数の魅力的な都市資源、MICE関連施設やサービス、文化の集積を挙げ「これほど都心型エリアに適した地はない」と力強く話す。充実した交通インフラや優れた安全性も、まちからまちへの移動が必要な都心型エリアに適する理由の1つだ。

本保代表

 本保氏はさらに「東京都心部のMICE機能が集積する地区と広域連携イメージ」を示し、エリア別での誘致の例を挙げた。新虎通りや青山通りを軸とした緑苑エリア、豊洲や有明などの臨海都市を軸とした臨海エリア、浅草や上野など隅田川水辺を軸とした江戸海岸エリアの可能性を明かした。

東京都心部のMICE機能が集積する地区と広域連携イメージ

 講演会では都心型エリアMICE誘致へのヒントとしてDMO(観光地域づくりのかじ取りを担う法人など)を挙げ、「DMO東京丸の内」「DMO六本木」の実績を紹介した。
 丸の内エリアのホテル客室は2722室、会議室・宴会場174室4万4544㎡を有し、都心型エリアMICEを積極的に誘致している。800人規模のシンポジウムや200人規模の行政会議など、18年度に14件、19年度は12件を開催した。六本木エリアでは会員向けの勉強会や相互見学会、海外展示会への出展が盛んだ。
 今後の課題として、財源問題や主導的立場の不在、効果測定の必要性などを挙げ「個別の地域だけでなく、MICEにかかわる全員で取り組む組織づくりを考えなくてはいけない」(同氏)と話す。

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