【再利用可能】都市土木木材利用促進研 木製浮き基礎工法の見学会を開催 万博会場への採用を提案 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【再利用可能】都市土木木材利用促進研 木製浮き基礎工法の見学会を開催 万博会場への採用を提案

 都市土木木材利用促進研究会(事務局・越井木材工業、会長・東畑郁生関東学院大客員教授)は3日、大阪市の平林ウッディパークで、丸太の組み合わせによる基礎工法「木製浮き基礎」のモデル見学会を開いた。ニュージーランドの企業が開発した工法でコストが安く、短工期で施工でき、再利用も可能な工法として研究を進め、2025年大阪・関西万博会場での利用を目指している。
 はじめに、越井木材工業の越井潤社長が「浮き木基礎工法は埋立地や沼地などの軟弱地盤を対象に実用化を目指している。地盤改良が不要で、建物を解体する時には、ばらして別の現場での再利用も可能な工法だ。万博会場への採用を提案していきたい」とあいさつした。

越井社長

 今回、設置したモデルでは、防腐処理(K4相当)が施されているニュージーランド産のラジアータパインを使用。直径が275mm、長さが10mの丸太を1.8mのピッチで組んだ。土台を支える垂直部分の木材は中に金属の芯を埋め込んでおり、不同沈下した場合は木材部分をジャッキアップし、傾きを容易に修正できる。

ジャッキアップを実演

 同工法は万博協会が設置した「People’s Living Lab促進会議」の企業提案として研究会で応募する考え。その上で今後はコーン貫入試験や平板載荷試験などの地盤調査を行い、沈下量をシミュレートしながら実用化モデルの構築を目指す。
 東畑会長以外の主な研究会出席者は次のとおり(敬称略)。
 ▽ジョン・リーリック(TTTプロダクツ)▽今村祐嗣(京大)▽岩崎好規(地域地盤環境研究所)▽藤井俊逸(藤井基礎設計事務所)▽松尾浩樹(大成建設)▽木村礼夫(ジェイアール総研エンジニアリング)▽笹村欽也(東畑建築事務所)。

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