【OLTA】国内初のオンライン完結型クラウドファクタリングを提供 中小企業の資金調達を支援 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【OLTA】国内初のオンライン完結型クラウドファクタリングを提供 中小企業の資金調達を支援

 支払期間の長い建設業界で、中小企業の運転資金が不足しないよう、効率的に資金調達するクラウドファクタリングが存在感を高めている。日本初のオンライン完結型クラウドファクタリングを提供するOLTA(東京都港区、澤岻優紀CEO)は、既存の金融機関がフォローしにくい数百万円規模の取引に対応し、2次、3次下請企業や一人親方の支持を広げている。手数料を業界最低水準の2-9%に設定し、運転資金に対するリスクを下げ、経営に集中できる環境を提供する。

澤岻CEO(左)と武田CSO

◆素早い調達、資金繰りの悩み解消/攻めのファイナンスで受注機会確保

 請求書を売却し、現金化するファクタリングが注目される背景には、中小企業が利用できる金融サービスが限られている現状がある。地方銀行・信用金庫といった地域の金融機関が融資を受け付ける場合、1件当たりの金額があまりに少額だと採算が合わずに実行が難しいことも多い。澤岻(たくし)CEO(最高経営責任者)は「短期で少額の資金を調達したいと思った際の選択肢が非常に限られていて、日々の運転資金が不足する中小企業は多い」と説明する。
 一方、海外では中小企業向けファクタリングビジネスが活況で、国内でも3兆円以上の潜在需要が試算されている。2017年に創業したOLTAも2年で申込実績が150億円を超えるなど急成長している(11月現在)。利用者には年商1億円未満の中小企業や個人事業主が多いという。建設業は工事完成後に報酬が入るため、請求書を出してから入金まで数カ月かかることもあるからだ。「作業員に支払う労務費の資金繰りに苦労するケースも多い。大手のように金融サービスの選択肢を増やす必要がある」と意義を語る。
 同社の強みは、与信審査をAI(人工知能)で自動化したところにある。20万社という膨大なデータを基盤に構築したスコアリングモデルを使い、決算書や銀行口座の入出金データから審査する。「オンライン上で手続きが完結するため、主観による審査の偏りもない」とメリットをあげる。

事業スキーム

 具体的には、パソコンなどの操作画面上に法人代表の本人確認書類、決算書、直近7カ月分の入出金明細と、請求書をPDFにしてアップロードし、審査してもらう。24時間以内にオペレーターが契約条件を電話で伝え、利用者が売却する。買取金額は契約即日で指定の口座に振り込まれる。従来は20-30%の手数料が必要なサービスばかりだったが、店舗や人件費など固定費を削減し、2-9%を実現。「手数料を抑えた分だけ売却する企業に利益が残る。その分をビジネスにあて、利益を生む好循環につなげてほしい」と期待する。

スマートフォンとパソコンの操作画面

 電話(050-3205-1008)での問い合わせには、オペレーターが対応する。「人と人のコミュニケーションを重視しており、どんな質問にも丁寧に説明する。日ごろから相談できるパートナーになる」のが目標だ。
 武田修一CSO(最高戦略責任者)は「経営の柱となる長期の設備資金は銀行と交渉し、短期の運転資金はファクタリングで調達する。そうした“賢い”使い分けが大切。必要なときに必要な分だけ請求書を現金化できれば安心して日々の運転資金を確保できる。顧客のビジネスを強化し、『カスタマーサクセス』に貢献したい」と力を込める。
 金融機関との連携にも取り組み、11月には西武信用金庫とビジネスマッチング契約を締結した。「本当は銀行も中小企業に融資したいのだが少額案件にまで手が回らないのが実情。そのため、当社が与信システムを提供し、ブランド力の高い銀行が窓口となり営業する」と相互の強みを生かしたビジネス展開を始める。同月、グループにゆうちょ銀行を擁する郵政キャピタルからの出資も受け、期待が高まる。
 今後に向けて、武田CSOは「金融サービスはもっと簡単であるべきだ。これまでにない圧倒的に便利なサービスが中小企業と距離を縮める。少額の請求書も喜んで買い取る」と方針を語る。澤岻CEOは「いまは建設需要が大きいため、受注機会を逃さないことが大切だ。資金繰りを気にせずに経営に集中できればさらに生産性が上がる。そのための“攻めのファイナンス”に貢献したい」と意気込む。

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