【新潟県】気候変動適応研究会・第2回会合 水害雪害は「早急に対応が必要」 4段階で重要度を評価 | 建設通信新聞Digital

5月10日 金曜日

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【新潟県】気候変動適応研究会・第2回会合 水害雪害は「早急に対応が必要」 4段階で重要度を評価

 新潟県は10日、新潟市の新潟自治労会館で新潟県気候変動適応に関する研究会(座長・本田明治新潟大理学部教授)の第2回会合を開いた。気候変動に関する現状や将来の影響予測を踏まえ、自然災害など各分野で取り組むべき項目を選定するための重要度評価の案が示された。
 研究会は県内の気候変動の現状と将来予測を調査研究するために設置。産業・経済活動や自然災害、自然生態系など各分野への影響について重要度を評価した上で重視する項目を選定し、適応策の対応方針と提言を取りまとめる。
 会合では各分野に関して重大性や緊急性、確信度を踏まえ、「早急に対応が必要」「対応が必要」「状況監視や情報収集を継続」「将来的に県の対応方針を検討」の4段階で重要度を評価した案が示された。
 自然災害・沿岸域分野では水害、高潮・高波、土砂災害、雪害、その他(強風など)の各項目を評価した。水害のうち、洪水、内水については短時間強雨の発生回数が増加し、それに伴う河川流量の増加や洪水発生のリスクが高まることから「早急に対応が必要」とした。
 高潮・高波に関しては、1906年以降は海面水位の上昇傾向が確認されず、これまで大規模な高潮災害も発生していないため「状況監視や情報収集を継続」と評価した。
 土石流や地すべりといった土砂災害は、大雨の増加により斜面崩壊の発生率が高まる地域が増えるリスクが示されており「対応が必要」に設定した。
 雪害は、近年降雪量の多い日が増えており、今後も建物や設備の被害に加え、水と積雪が複合化した災害が懸念されることから「早急に対応が必要」とした。強風については、深刻な影響を示すデータが確認されていないことから「状況監視や情報収集を継続」としている。
 委員からは「全体的には的確で妥当」などの意見が寄せられた。3月に第3回会合を開き、適応策の対応方針と提言を取りまとめる。

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