【工業技術のスペシャリストを育成】新潟工高から4年連続! 技術士「建設部門」1次試験に3人合格 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【工業技術のスペシャリストを育成】新潟工高から4年連続! 技術士「建設部門」1次試験に3人合格

 新潟県立新潟工業高校土木科の3年生3人が、難関資格の技術士「建設部門」の1次試験に合格した。同校の合格者は今回で4年連続の快挙となる。同校が目標に掲げる“工業技術のスペシャリスト育成”を体現するように、生徒と教員が高い目標に向けて力を合わせ、研さんを重ねたことで大きな成果が実を結んだ。
 合格したのは五十嵐皓さん、樋口陽亮さん、高坂元気さん。卒業後の就職について教員と相談する中で取得を勧められことや、OBからの言葉がきっかけで受験を志した。

左から五十嵐さん、樋口さん、高坂さん

 夏休み期間中から本格的な勉強に取り組み、通常の授業が始まってからも始業前や放課後、土日など多くの時間を費やし、専門知識の習得に励んだ。五十嵐さんは「専門用語が多く覚えるのが難しかった」、高坂さんは「高校で習う範囲以外からも出題され、飲み込みに時間が掛かった」と苦労を語る。樋口さんも、技術士としての倫理を問われる適性科目について「高校生にとっては難しかった」と振り返る。「いままでで一番勉強した」(五十嵐さん)と語るほど力を注いだだけに、合格がわかった瞬間は「ほっとした」と口をそろえる。
 補習授業は渡邉太一、佐藤勇輝両教員が担当し、生徒たちの挑戦を力強く後押しした。「毎日朝早くから夜遅くまで時間を割いてくれた」(高坂さん)、「自分たちのこと以上に考えてくれた」(樋口さん)、「補修をしていただいた」(五十嵐さん)と感謝の思いを口にする。佐藤先生も「頑張っていたので合格して良かった。4年連続となったこともうれしい」と率直な思いを明かし、「経験を生かしてさらにステップアップしてほしい」とエールを送る。
 高坂さんは同校へ進学したきっかけについて、「(建設業に対して)“地図に残る仕事”という印象があり、あこがれもあった」と語る。一方、樋口さんと五十嵐さんは卒業後の就職を希望し同校に進んだため、建設業への強い思い入れはなかったものの、「学んでいるうちに将来の自分のことを考えるようになった」(樋口さん)、「入学してから建設業は人の生活を身近で支えていると分かった」(五十嵐さん)と高校生活が人生の大きな転機となった。
 3人は今春から新社会人としての一歩を歩み始める。五十嵐さんは「将来的には技術士も取得したい。これからも勉強を続けていく」と意気込む。樋口さんは「わからないことや無力さを実感することもあると思うが、一人前になれるよう頑張りたい」と決意を示す。高坂さんも「3年間で学んだことを生かし、後輩にも良い姿を見せられるようにしたい」と前を向く。
 同校では16年度から技術士補(技術士1次試験)に挑戦。県内の高校生で初めてとみられる合格者3人を輩出して以来、17年度に4人、18年度に3人が合格し、19年度まで続いている。

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