【現場を「見える化」】アジャイルウェアのプロジェクト管理ツールが建設業界を変える? | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【現場を「見える化」】アジャイルウェアのプロジェクト管理ツールが建設業界を変える?

 アジャイルウェア(大阪市)は、アジャイル(=素早い)という名前のとおり「3カ月以内で使えるシステム」の開発をうたい、スピード感のあるITサービスを提供している。「顧客からのフィードバックを取り込み、製品にするのが当社の強み。カスタマイズにも柔軟に対応できる」と同社の川端光義代表は話す。

川端代表(右)と水口氏


 現在の看板商品がプロジェクト管理ツール『Lychee Redmine(ライチレッドマイン)』だ。世界的なオープンソース「Redmine(レッドマイン)」をベースに開発。「ガントチャート」や「カンバン」などのスケジュール管理機能を始め、収支を可視化するコストやプロジェクトを横断したレポートの作成、工数リソース管理にも対応する。「ガントチャートとカンバンが連動しプロジェクト全体でマイルストーンを共有できる製品は他には見られない」と川端代表は胸を張る。同社営業担当の水口崇氏も「直感的で使いやすいツールとの評価をお客様からいただいている」と説明する。

 「あらゆる現場のプロジェクトを見える化する」(川端代表)という Lychee Redmineは、大規模な生産現場でも効力を発揮した。18年10月に稼働開始した日清食品関西工場(滋賀県栗東市)の建設プロジェクト全体のスケジュールを管理するために活用。施主である日清食品は設備発注と設備納入の2つのフェーズを中心にガントチャートでプロジェクトの「見える化」を図り輻輳する全ての情報を共有化、タイトな工期設定の中で精緻なプロジェクト管理を実現させた。Lychee Redmineは現在700社近い企業に採用され、業種もメーカーを始めIT系、金融、ゲーム、インフラ関連など実に広い。建設関連は大手ゼネコンで一部事例があるものの、まだ限定的だ。「IT化が進む建設業界は今後有望な市場」と水口氏は話す。

 Lychee Redmineに続き昨年から展開を始めたのが議事録サービス『GIJI(ギジ)』。参加者とウェブで議事録画面を共有・編集が可能で誰が書いても簡単に質の高い議事録を残すことができ、会議終了と同時に議事録が完成。音声認識機能を使えば会議中の発言をテキスト化し、議事録作成を支援する。日本語と英・中・韓の4か国語に 対応可能だ。

 料金は Lychee Redmineが 月額 5500円(サーバー料別)から、GIJIは音声認識使い放題プランが月額7万円からとなっている。川端代表は 今後について 「2年後には Lychee Redmineの導入企業数を2倍の1300社超に引き上げたい」と手応えを口にする。

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