【働きかた】唯一の女性建築技術社員、後輩に道拓きたい 佐藤工業北陸支店・寺内鈴音さん | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【働きかた】唯一の女性建築技術社員、後輩に道拓きたい 佐藤工業北陸支店・寺内鈴音さん

 富山県高岡市の建築現場で行われた新入社員の研修で、測量機器の扱い方などを指導した。ことしは真新しい作業服姿の3人に1人が女性。「(所属する)北陸支店で女性建築技術社員はわたしだけ。後から入ってくる人(女性技術社員)がやりやすい環境をつくりたい」と後輩を思いやる自身も、実は入社3年目。
 いまの現場(ショウワノート高岡工場新築)が入社後2カ所目。「写真の管理が中心だった最初の現場と全然違って、ここでは段取りや図面のチェックもやらせてもらうようになった」と目を輝かす。入社時、最初から施工管理を希望した。
 石川工業高等専門学校のインターンシップで建築現場を見た時、「(現場を)やってみたいと思った」という。いまでは「自分が組んだ段取りや計画がそのとおりうまく進んだり、工程が短縮できた時は良かったと思う」とにっこり。
 現場の上司、中邑康弘所長は「最初は計画的なことを担当してもらいたいと思っていたが、どんどん仕事をこなし、いろいろなことを自発的に提案してくる。現場にも足を運び、いまではオールマイティーに活躍している。女性らしい細かい目線もあるのだが、受け身じゃない。将来を期待している」と目を細める。
 現場では近年、女性用トイレなどの作業環境の整備が進むが、「ハードの面以外では女性だからという扱いをしてほしくない」と指摘する。
 自身にとっては親世代の職人とのコミュニケーションについても「まったく気にならない。話し方次第だと思う」ときっぱり。
 将来の目標は「やったことのないことをやること。その前に1級建築士資格をとって、出身地の金沢の物件をやってみたい」。「ストレス発散方法は建築士資格の勉強」というからバイタリティーは筋金入りだ。

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