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【次代をつなぐ】輝いていた職人の姿をもう一度…… スエヒロ工業が取り組む仕組みづくり

最終更新 | 2021/05/24 09:39

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 協力会社も含めて、利益を確保して社員の就労環境や処遇の改善、能力の向上に還元する。静岡県沼津市の改修・塗装・防水専門工事業者「スエヒロ工業」の櫻井弘紀社長は、それができる仕組みづくりに腐心してきた。その根底にあるのは、「輝いて見えた」というかつての職人の姿を取り戻したいという思いだ。懐古主義ではなく、現在の社会課題に合わせた仕組みづくりで「あこがれの職人の世界」を生み出そうとしている。

櫻井弘紀社長


 同社は、櫻井社長の父が1987年に立ち上げた。アスファルト防水の専門工事業者で、総合防水、大規模修繕工事へと業容を広げていった。いまも売り上げの7~8割はゼネコンの協力会社(1次下請け)としての仕事だ。先代は職人上がりの親分肌で、面倒見が良く、人情もあり「あこがれていた」。現場が終わると家に職人が集まり、酒を酌み交わす姿を見て育ち、「とても活気があって輝いて見えた。父は忙しくて夜は遅く休みも少なかったが、一生懸命働いてくれていると本気で思えた」。これが櫻井社長の原風景だ。

先代(左から3番目奥)と自宅前で懇親する職人たちが「輝いて見えた」


 建設系の専門学校を経て、作業員として父の会社で働いた。入社した1年後の23歳の時に父が他界。経営も営業も分からぬまま突然、社長に就いた。まず取り組んだのは、社員と協力会社の職人一人ひとりとの面談だった。「どういう会社にしたいかというマインドを合わせようと思った」という。そこで口にした理想像が、「大人になったらこんな仲間がほしい、こんな仕事がしたい」と思っていた“原風景”だった。

 理想の会社像はあったが、「まずは売り上げを上げなければ」と休みも削ってがむしゃらに売上確保に奔走し、就任2年目の2011年には過去最高の売り上げを記録した。ところが、利益が残らず「何のためにやっているのか」と思った時には「社員もつまらなそうに仕事をしていた」。忙しいばかりで「自分の余裕のなさを社員に押しつけていたかもしれない」と振り返る。この経験を経て、「社員が会社に魅力を感じなければ、利益も上がらない」と考えるようになった。利益に着目し、どんぶり勘定や工程の“遊び”、材料の無駄といった部分の改善から始め、実行予算と目標の設定、中間進捗の確認と目標の再設定といった仕組みづくりを進めた。「1つの工事に誠意を持って取り組むことで、トラブルが減り、品質が向上し、社員のプレッシャーが下がって、売り上げも上がってきた」という。

 こうして上げた利益は「社員に還元する」。4~5年前から、現場技能者も含め社員は週休2日だ。きっかけはある社員からの「2~3週間に1度くらいある『特に何も仕事がない土曜日』を休みにしてほしい」という提案だった。一気にルールをつくるのではなく“試運転”から始めると、「仕事の配分を考え、連絡体制を整えれば、土曜日に休んでも出来高は変わらないのではないか」と賛同者が増えた。そこから休暇制度を整備して「ルールの中で自由に休みが取れるようにした」ことで、「社員が時間の使い方を考えるようになり、頑張るべき時に頑張れるようになった」という。目指すは「働きたい人は働いて、自分の時間を大切にする人は働ける分だけ働くなど、ライフスタイルに合わせて働ける会社」。だが、自由と無秩序は表裏一体だ。そこで「小さな目標をたくさんつくり、頑張りどころを明確にすることで休む時とのメリハリが付くようにした」。単なる自由ではなく、「生きるために働くのであって、仕事のために生きているのではない」と日ごろから社員に呼び掛けている。生きるために働いて上げた売り上げと利益だからこそ、貯まった資金は「社長の肥やしではなく、社員と一緒に何に使うか考える」。この考え方が浸透しているから、自由な働き方が成り立つ。

 こうした取り組みの先にあるのは担い手確保だ。いまの若い人は「働きやすさや自分の時間の確保、本気で取り組める仕事かどうか、どういうリーダーかなどを重視している」という中で、求人時に目指す会社の姿と社員の声をメインに募集をかけると「2カ月で40人の応募があったこともある」。若者のニーズの多様さに合わせ、求人の間口を広げる取り組みにも力を入れている。「会社を知ってもらうきっかけになる」と福利厚生のために設置したトレーニングジムを活用してフィットネスジムの運営を始め、社員も募集。サッカーの社会人チームに所属する選手も採用した。「人口減少という市場先細りの中で、母集団を増やすためには、『この人材に建設業はできない』と考えるのではなく、働けないと思っていた人たちのライフスタイルに合わせた働き方ができる環境づくりを加速したい」と意気込む。

求人の間口を広げるために始めたトレーニングジムの運営


 原風景の現場職人には活気があって輝いていた。いつの間にか失われてしまったが、「楽しく一生懸命働ける業界だといまも信じている」。もう一度憧れの職業にするため、櫻井社長の挑戦は続く。

 櫻井社長は、協力会社との関係でも、自社で取り組んできた“みんなで貯めてみんなで使う”という考え方を貫いてきた。先代社長が協力会社会「櫻和会」を立ち上げ、いまでは約50社が所属し、6割ほどは同社の専属だ。この協力会社の売り上げの0.5%を協力会費に充てる。売り上げを上げるほど会費が貯まり、「貯まった会費で資格取得費用やリクルート経費、一人親方の労災特別加入の経費を補助している」。建設キャリアアップシステムの登録費用もこの協力会費でまかない、スエヒロ工業で登録作業の代行なども進めた結果、「専属会社の8割は技能者も含めて登録が完了した」

 この仕組みがスエヒロ工業の“強み”になる。近年は、「元請けが専門工事業者を評価する部分がまったく変わってきた。価格は二の次。技能者の数と財務体力を最も見られている」という中で、櫻和会で結束力を育み、いまでは「機動力と財務が最大の武器」と言えるまでになった。



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