【大建工業】置くだけでぬくもりの空間 「ウッドキューブ」を提案 公共・商業施設を簡単に木質化 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【大建工業】置くだけでぬくもりの空間 「ウッドキューブ」を提案 公共・商業施設を簡単に木質化

 SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)投資が広がり、公共施設や商業施設などの建築物の木質化が注目される中、大建工業は、建物内に置くだけで空間を木質化できる「ウッドキューブ」の提案に力を入れる。住機製品事業部東部特建住機課の川岸克誠氏は「公共・商業系の非住宅やオフィス、宿泊施設にも展開したい」とするほか、「2019年度から地方自治体への譲与が始まった『森林環境譲与税』の使い道としても提案していきたい」とする。

井波総合文化センターに施工したウッドキューブ

 
 国内では、「公共建築物等木材利用促進法」が10年に公布されて以来、国産木材の利用機運が高まり始めた。大建工業もこうした流れの中で、17年2月から「ウッドキューブ」の発売を始めた。
 国産・地域産材を使った集成材の柱と梁、土台を組み合わせ、四角形の骨格をつくり、軸材に壁材を取り付ければ木質空間が完成する。施工時は、プレカットの柱と梁を現場に納入し、金物工法で組み立てる。柱の太さを90mmにすることで施工性を高めつつ、意匠性も確保できる。同社のネットワークを生かし、使用木材の産地指定も可能だ。壁材は木板に限らず、樹脂パネルや棚、ドアなども設置できるほか、床材も要望に応じて畳やマットを敷ける。「壁などをすべて壊して木材を取り付けるよりは、簡単に低コストで木の空間を生み出せる」(同)という点が大きな魅力だ。
 店舗のディスプレーやオフィスのミーティングルーム、畳敷きの和空間づくりなどが簡単に実現可能できる。1つの幅と奥行きが各2000mm以内、高さ2400mm以内のキューブ状の組み合わせのため、「発想次第で使い道は無限に広がる」(同)。

ららぽーと海老名のキッズプレイエリア

 15年8月には、三井不動産の協力を得て「ららぽーと海老名」(神奈川県海老名市)のキッズプレイエリアをウッドキューブで施工。日本グッド・トイ委員会(東京おもちゃ美術館)が監修した木のおもちゃなどを配置した空間は、三井不動産、日本グッド・トイ委員会、パワープレイスとの共同で『第10回キッズデザイン賞(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門)』を受賞した。富山県が主体となって立ち上げた富山県森林整備・林業再生事業「公共施設向け製品開発プロジェクト」にも参画し、井波総合文化センター(富山県南砺市)のロビーに地元の富山杉を使った空間を施工した。木の温かみがある部屋をつくり出したことで、無機質で広々とした広場が、学生や市民の憩いの場やさまざまなイベントを開くにぎわいの場に生まれ変わった。
 19年3月に成立・公布した「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」では、温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止などを図るための森林整備などに必要な地方財源を安定的に確保する観点から、国民から森林環境税を徴収して森林環境譲与税として都道府県・市町村に譲与する仕組みができた。木材利用の促進や普及啓発などの財源とされており、公共施設の木質化など、有効な生かし方としてウッドキューブの活躍が期待される。
ウッドキューブについての問い合わせは、大建工業住機製品事業部東部特建住機課 川岸 克誠
(Mail:kawagisi@daiken.co.jp)

組み立て方法について説明する川岸氏


 

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