【第8回国際風力発電展】特別講演会で 日本における洋上風力発電市場の可能性や課題など論じられる | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【第8回国際風力発電展】特別講演会で 日本における洋上風力発電市場の可能性や課題など論じられる

 第8回国際風力発電展が26日、東京都江東区の東京ビッグサイト青海展示棟で開幕、国内外から最新の風力発電設備や調査・施工技術を展示している。 同日には「ここまで来た!洋上風力発電の普及に向けた取組み」と題した特別講演も会議棟であり、 三菱重工業とデンマークのヴェスタス社が合弁により2014年に設立した洋上風力発電設備専業会社MHIヴェスタス・オフショア・ウインド社のチーフ・ストラテジー・オフィサーとして事業戦略・事業開発・渉外・広報宣伝を担当する山田正人氏と、清水建設エンジニアリング事業本部の関口猛執行役員本部長がそれぞれ講演し、 日本における洋上風力発電市場の可能性や課題などを論じた。
 この中で山田氏は、「令和2年は日本にとって洋上風力発電元年となる年だ」とした上で、日本で洋上風力発電が成功するためには「競争力のある主力電源化が急務であり、再エネは高いという不満や不安、不信を払拭(ふっしょく)する必要がある」と強調。さらに「1つのプロジェクトで1000億円を超える投資が国内だけでなく海外からも集まる。この巨大なインバウンド投資をいかに国内産業に環流させるかも課題となる」とした。
 これらの課題を克服するためには「事業基盤の整備が不可欠」であり、「規模の経済を達成し、一つひとつのプロジェクトを大型化することで発電単価を下げ、数多くのプロジェクトを繰り返すことで習熟していく」ことが求められるとした。
 関口氏も海洋国である日本の洋上風力発電ポテンシャルを最大化するとともに、 発電事業者のニーズに応えるためにも 「大型風車の採用、建設費の低減、早期の発電開始」 が必要だと指摘。これを実現する上で 「1基12メガワット、15メガワットまでを視野に入れた大型風車の確実かつ高効率な施工と日本特有の厳しい自然条件の克服」といった課題に対応するために、 22年10月の完成に向けて建造を進めている世界最大級の自航式SEP船の概要などを紹介した。
 この日は専門技術セミナーもあり、戸田建設の佐藤郁エネルギー事業部副事業部長が「浮体式洋上風力発電の事業化と普及拡大に向けた課題」、五洋建設の島谷学土木部門洋上風力プロジェクト・チーム専門部長は「洋上風力発電に関する各種技術について」と題して講演した。
 国際風力発電展には、建設関係から応用地質、川崎地質・中央開発ビジネスパートナーシップ、基礎地盤コンサルタンツ、長大、五洋建設、東光電気工事などが出展。会場では洋上風力セミナーも開かれており、26日には五洋建設など、27日は基礎地盤コンサルタンツなど、最終日の28日には応用地質などが最新の取り組みや技術などを紹介する。
 
 
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