【安全・安価に振動低減】飛島建設 伝播経路対策技術の「防振堤」を開発 汎用資材でシンプルな構造 | 建設通信新聞Digital

5月8日 水曜日

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【安全・安価に振動低減】飛島建設 伝播経路対策技術の「防振堤」を開発 汎用資材でシンプルな構造

 飛島建設は、埼玉大学大学院理工学研究科の松本泰尚教授と協働し、建設工事で発生する振動をで低減できる伝播経路対策「防振堤」を開発した。敷鉄板や厚さ20cm程度のコンクリート板の上に大型土のうを複数設置するだけのシンプルな構造で、建設現場では汎用的な資材で構築しており、中型のバックホウがあれば施工できる。空溝や防振壁など従来の振動対策技術よりも、安全かつ安価に振動を低減できる技術となっている。
 防振堤は、地表面に接する敷鉄板で剛性を確保し、その上に土のうを積層することで質量を確保。剛性の高い下層部分と質量を付与する上層部分が一体となって挙動して地表面の変位を拘束することで、背面の振動を効果的に低減する。
 同技術は、「発生源対策」「伝播経路対策」「受振部対策」の3つに分類される振動対策技術のうち、「伝播経路対策」に該当する。設置にかかる費用は、地盤の状況などにもよるが、既存の伝播経路対策と比較して2-8割程度の軽減が期待できる。
 現在、特許の出願に向けて準備を進めているほか、将来的にはNETIS(新技術情報提供システム)登録も目指す。今後、全国の工事現場へ積極的に導入し、実績を蓄積しつつ低減効果と地盤条件の関係についても検討する予定だ。
 
 
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