【遠隔での施工管理に焦点】コマツ「スマートコンストラクション」で建設現場の"3密"回避 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【遠隔での施工管理に焦点】コマツ「スマートコンストラクション」で建設現場の“3密”回避

 コマツのスマートコンストラクションが、建設現場における「3密(密閉・密集・密接)」の回避に大きな効果を発揮することになりそうだ。特にソリューションの1つである遠隔での施工管理(現場のデジタルツイン)は感染予防に有効な手段となる。事業継続が求められる建設現場の「3密」回避へ、同社は建設企業の取り組みを全面的にサポートしていく方針を示す。

 同社は、政府による緊急事態宣言の発令を受けた現状にあっても、公共工事や道路・河川といったインフラの管理が社会的に事業の継続が求められている点に着目。国土交通省による建設現場での「3密」回避の徹底と従事者の健康管理に対する要請に、スマートコンストラクションの取り組みが有効に機能すると判断した。

 とりわけ政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」でも、国民生活に欠かすことができないインフラの運営やメンテナンスといった必要なサービス(事業)の継続が要請されていることから、建設現場における「3密」回避への手段として、関係者が1カ所に集まる必要がない遠隔での施工管理を推奨。建設企業に対するサポートツールとしての積極的な展開を見通す。

 例えば、スマートコンストラクションを構成する『SMARTCONSTRUCTION Drone』などのIoT(モノのインターネット)デバイスによって、対象となる現場の現況データ(点群データ)を取得。アプリケーションを用いて、施工現場の「デジタルツイン」を創出すれば、建設現場から遠く離れた場所であってもリアルタイムに現場の状況を確認することができる。

デジタルツイン創出の全体イメージ

 こうしたスマートコンストラクションが提供するサポートツールを効果的に活用することで、担当者が時間や場所の制限を受けることなく、パソコンやタブレット端末から現場の状況を確認できる遠隔での施工管理を実現。リアルタイムに現場の状況を確認できる利点を生かせば、遠隔であっても想定される問題に即座に対処することが可能になるというわけだ。

 ユーザーが用いるWeb会議システムを組み込んでいくことで、関係者が1カ所に集まることなく、それぞれのパソコンやタブレット端末で画面を共有しながら、施工計画に関する打ち合わせを行うことも可能となる。「Webカメラ」を携帯した作業員が現場を巡回することで、例えば、テレワークしている担当者が自宅のパソコンから現場の状況を把握することもできる。

テレワークの活用と対人接触の低減


 政府による緊急事態宣言の延長を受けて、これまで一時的に中止していた工事を再開する動きもある建設産業。仮に緊急事態宣言が解除されたとしても当面は現場での感染予防の徹底と、いわゆる「3密」回避への対応は欠かせない。建設現場の事業継続をサポートする手段として、スマートコンストラクションによるデジタルトランスフォーメーションへの期待は大きい。

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