【渋谷駅改良工事】埼京線下り線路切替 54時間かけ350m移設した大規模工事の裏側 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【渋谷駅改良工事】埼京線下り線路切替 54時間かけ350m移設した大規模工事の裏側

 JR東日本は1日、JR渋谷駅(渋谷区)の新埼京線ホームの供用を開始した。5月29日午後10時から6月1日午前4時までの約54時間で、埼京線下り線路の切り替え工事を実施。旧埼京線ホームから約350m北側へ移設し、山手線ホームと並列化したことで利便性を高めた。

工事桁をつり上げる施工現場


 工事内容は、(1)埼京線下りの線路を移動(2)埼京線下りの宮益架道橋の鉄桁を改築(回転・移動)(3)新埼京線ホームの供用開始し、山手線ホームと並列化(4)旧埼京線ホームを新南改札への連絡通路として整備。5月29日には電気工事、30日は土木工事、31日は軌道工事、信号工事を進めた。

 山手線ホームの高さに合わせるため、工事桁47連を最大約1.3m吊り上げた。このうち10連は門型吊り設備を事前に設置してジャッキで、37連はジャッキとサンドル設置を繰り返して高さを上げた。

 同社の関啓充建設工事部大規模開発プロジェクトリーダーは「1年以上前から施工計画を固めた。リハーサルを重ねて課題を検証し、工事に臨んだ」と話す。1日当たり最大900人の職人が工事を進めた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全員がマスクとゴーグルを装着した。ミーティングの人を減らし、人と人との距離を空ける対策を講じた。

 渋谷駅改良工事は、2015年9月に着手、段階的に整備し、全体完成は27年度を予定。総工費は約750億円を見込む。本体工事は北・中央・南の3工区に分け、中央工区に当たる今回の工事では大成建設・東急建設JVが担当している。

 4回に分けて工事を実施するうちの今回はステップ2。ステップ3は、山手線内回りを東側に横移動し、山手線内回りホームを拡幅する。ステップ4では、山手線外回りを西側に横移動し、山手線ホームを拡幅する。利用者の利便性向上や、構内の混雑緩和、他社線との乗り換え動線の改善などが目的だ。

山手線と並列化した新ホーム

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