【建設業の人材創出・育成】関西の建設業協会や土木系団体 学生との交流会などに取り組む | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【建設業の人材創出・育成】関西の建設業協会や土木系団体 学生との交流会などに取り組む

 各府県の建設業協会や土木系団体も入職促進や技術向上につながる研究発表会の開催、建設業の魅力発信でみらいの建設業を担う人材の創出・育成に取り組んでいる。

学生に魅力をアピールした大建協 業界研究交流会 (19年2月)

■建設業協会
 大阪建設業協会は、2019年2月に同協会が発行しているテキスト『若手技術者のための知っておくべき鉄筋工事』の改訂でセミナー、同年3月には協会の編集による『若手技術者のための知っておきたい現場管理『仕上げ編』の続編(Part2)発刊でセミナー、キャリアアップシステムでも講習会を開き、若手の育成を図っている。
 ことし6月に開催予定だった新入社員研修が「3密防止」の観点から中止することになった。そのほか、今年度開催予定のセミナーや講習会は、委員会ごとに開催を判断する。
 就職を希望する学生との交流にも力を入れている。19年は2月に「業界研究交流会」、10月に「インターンシップ&就活準備イベント」を開き、入職を希望する学生に、建設業界と 自社をアピールした。
 ことし3月には大阪就職氷河期世代活躍支援プラットフォームの一員として「人材採用戦略セミナー~就職氷河期世代の活躍のために」を開く予定だったが、感染症拡大のため中止となった。20年度については交流会、就活準備イベントともに実施する予定だ。
 兵庫県建設業協会は、学生向けのインターンシップによる入職促進や地域貢献による建設業の魅力アップに注力している。19年度は、8月に加古川市内の建設現場でインターンシップ「建設サマーセミナー」を開催。専門学校生や高校生ら計37人が参加。型枠や鉄筋作業、コンクリート打設などを体験した。
 同月には、兵建協では初めての取り組みとして、神戸市のラッセホールで「女子高校生と女性技術者との交流セミナー」も開いた。県内の工業高校3校から女子高校生27人が参加、建設業界で働く女性技術者による基調講演やパネルディスカッションを実施した。登壇した女性技術者が建設業の現状や魅力を紹介し、後輩たちに建設業の魅力をアピールした。
 両イベントともことしの開催は決まっていないが、生徒の夏休み期間中を前提としているため、スケジュール調整は厳しい。特にサマーセミナーは約1週間、会員企業の建設現場で実習をするため、例年と同じ内容で実施することは困難だ。企業と学校の出会いの場として重要な役割を果たしてきただけに、規模を縮小しても開催する考えで、その方法を現在模索している。
■土木系団体
 土木系団体は研究発表やシンポジウムの開催などが活動の中心だ。建設コンサルタンツ協会近畿支部は、研究発表会を毎年秋に開催している。ことしは多くの人が集まるのを避けるため、ウェブを介して遠隔開催する方向で検討している。
 19年度の 研究発表会(第52回)は、10月に大阪市の大阪科学技術センターで開いた。会員中心に約800人が来場。会員による一般発表や若手技術者によるポスター発表など、100を超える研究成果が披露されたほか、論文発表、講演会、支部活動報告など多彩な企画が行われた。
 論文発表とあわせ、支部委員会活動の成果も披露された。働き方研究委員会は、座談会型式のワークショップを開催。BCP委員会はBCP研究の第一人者・白木渡香川大特任教授を招き、ワークショップや講演会を実施した。

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