【地域を守る建設業】群馬建協の「KAMIKABE〈かみかべ〉」が新たな避難所のカタチを提案 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【地域を守る建設業】群馬建協の「KAMIKABE〈かみかべ〉」が新たな避難所のカタチを提案

 自然災害と感染症拡大が同時に起きる事態に備え、「地域を守る建設業」から新たな避難所のカタチを提案–。群馬県建設業協会(青柳剛会長)は16日、避難所生活の質を高めるデザインされたパーティション『KAMIKABE〈かみかべ〉』を披露した。乱雑になりがちな避難所を整えるデザイン性に加え、持ち運びや備蓄がしやすく、20分程度で組み立てられ、柔軟なスペース変更が可能となるなど、実用性や快適性にもこだわった逸品だ。

内部空間は自在にアレンジ可能


 梅雨時期に入り、今後はゲリラ豪雨や台風など近年頻発している大規模水害が懸念される季節がくる。これまでとは異なり、新型コロナウイルス感染症対策も求められるようになった。災害発生時に余儀なくされる避難所生活において、「3密」回避とともに、避難者のストレス軽減などは喫緊の課題といえる。

 「かみかべ」は、災害時には夜間や休日でも被災現場に駆けつける体制を構築しているなど、地域建設業ならではの「備えの力」を生かしながら地域貢献に役立てる。また、建設業のものづくりネットワークを活用し、デザインや構造、使い勝手にも配慮した。

 標準サイズは1辺2.1mの正方形で、高さは1.5m。コロナ対策を踏まえ、避難所・避難生活学会が推奨するスペース基準を満たす。30cm刻みで伸縮可能のため、ファミリータイプなど目的に合わせてスペースを拡張できる。

 厚さ3mmの段ボール製で持ち運びや梱包・備蓄が容易なほか、組み立てにはテープや金属が不要で、大人3人で20分ほどが目安。屏風構造とそこにかませるリブで、丈夫な壁を構築する。リブにはハンガーやクリップ、照明、扇風機などを付けられ、イスやベッドなども含め自分の空間を自在にアレンジできる。

 まずは試作品200点を用意した。これを協会本部や県内12支部に備蓄し、災害時に備える。需要に応じてブロック単位で融通し合うなどの分散備蓄方式を確立する。土のうやブルーシートで採用している流通備蓄方式と合わせ、災害対応組織力を強化する。

 青柳会長は「われわれは公共事業をなりわいの1つとし、雇用を含め地域に密着して活動している。『地域を守る建設業』をカタチにして“見える化”した」と意図を説明する。

「かみかべ」を命名した 青柳会長

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