【4テーマでWG設置】「官民連携データプラットフォーム運営に向けた準備会」初会合 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

公式ブログ

【4テーマでWG設置】「官民連携データプラットフォーム運営に向けた準備会」初会合

 都市やインフラに関する官民データを活用した都市課題解決に向け、東京都が立ち上げた「官民連携データプラットフォーム(DPF)運営に向けた準備会」の初会合が6日、ウェブ上で開かれた。会合では、DPFの構築に向け検討すべき項目を確認したほか、都市課題などのテーマに応じたワーキンググループ(WG)を設置することを明らかにした。8月下旬の第1回WGに向けた当初の課題には「施設系混雑」「バリアフリー」「災害」「交通系混雑」の4テーマを指定。関連するデータを保有する企業とともにデータ利活用のニーズや課題を話し合う。

データプラットフォームのイメージ


 行政や民間が保有する暮らしや経済活動などのさまざまなデータをDPFに集約する。人の動きの情報などは、次世代の交通サービスとして期待されるMaaS(モビリティーのサービス化)や新型コロナウイルス感染症対策などへの活用も期待されている。将来的には、データを解析・処理して得られた情報を仮想空間上などでシミュレーションすることで、都政の高度化・効率化に役立てることも想定している。

 都の宮坂学副知事は「混雑のデータなどは、コロナ対策で具体的に必要な情報だ。官民が情報を持ち寄って、都民が3密を避けるようなデータの標準化や見せ方を話し合いたい。公開されたデータを民間の企業に再利用してもらい、そこから新たなデータが生まれてくるようなサイクルを生み出したい」と語った。

 会合では出席した委員から国内外の先行的な事例などの紹介があった後、意見交換に移った。

 委員からは今後のプラットフォーム整備に向けた期待に加え、「これまで国内の取り組みの多くは、エリアや産業、分野に分かれている」「取り組みの先進地域では意思決定が迅速だが、東京都は体が大きい。素早く意思決定をしていくという点では課題を抱えかねない」などの指摘も寄せられた。

 このほか、今後の準備会の詳細なスケジュールも明らかになった。WGは8月と9月の下旬に2回開かれ、その後も適宜継続開催する。準備会は10月上旬の第2回と11月下旬の第3回でWGの検討状況、DPFの全体構造や運用ルールなどが話し合われる。2021年1月下旬の第4回会合でDPFの事業計画を示す予定だ。

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら