【民間の創意工夫をフル活用】愛知県で控える3大事業整備 プロジェクト動向まとめ | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【民間の創意工夫をフル活用】愛知県で控える3大事業整備 プロジェクト動向まとめ

 愛知県の「ジブリパーク整備事業」「愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業」「愛知県新体育館整備・運営等事業」が進展している。ECI(施工予定技術者事前協議)方式やBT(建設・譲渡)+コンセッション(運営権付与)方式など、施設の整備・運営に民間の創意工夫を最大限に活用する県の3大プロジェクトの動向をまとめた。

◆ジブリパーク/先行3エリアに着工
 スタジオジブリとの基本合意から約3年。ジブリ作品の世界観を体験できる夢の施設整備が始まった。県は7月28日、長久手市の愛・地球博記念公園内に設置する「ジブリパーク」の起工式を現地で開いた。
 ジブリパークは▽青春の丘▽ジブリの大倉庫▽どんどこ森▽もののけの里▽魔女の谷–の5エリアで構成する。設計はスタジオジブリと日本設計が担当。整備事業にはECI方式を採用する。
 起工したのは2022年秋に先行開業する青春の丘、ジブリの大倉庫、どんどこ森の3エリア。施工は鹿島が担当する。契約金額は106億5790万円(税込み)。工期は22年2月28日まで。
 もののけの里、魔女の谷の2エリアは先行3エリアの開業から約1年後の開業を予定する。
 県は7月31日、後発2エリアの優先交渉権者(施工予定者)も鹿島を選定した。順調に進めば21年度から本体工事に着手する見通し。

先行3エリアの起工式


◆スタートアップ支援拠点/12月に入札公告
 国内最大級のスタートアップ施設を整備、愛知からイノベーションを起こす–。県は3日、「愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業」の新たな実施方針を公表した。事業手法はBT+コンセッション方式のPFIを導入する。12月に事業の総合評価一般競争入札を公告、21年7月に落札者を決め、8月に基本契約を結ぶ予定。
 当初、1月に実施方針を公表、2月に総合評価一般競争入札で公告したが、感染症拡大に伴う国の緊急事態宣言により5月8日に公告を中止。宣言解除後の同28日から選定手続きを再開、事業内容の見直しを進めていた。
 スタートアップ企業の育成などを目的にオフィス、宿泊・研修、行政支援窓口、民間収益施設などの機能が入る「ステーションAi」を新設する。建設地は名古屋市昭和区鶴舞1-201ほかの県勤労会館跡地。10月にも事業契約を締結する。事業期間は33年10月まで。設計・建設期間は約2年。23年度中の供用開始を目指す。
 感染症対策を徹底するため、最先端のデジタル技術を活用し、リモートワークなどの新たな生活様式に対応した施設とする方針だ。

運営に係る概念図


◆新体育館/延べ床4.3万㎡想定
 「愛知県新体育館整備・運営等事業」にもBT+コンセッション方式のPFIを採用する。県は7日、事業の総合評価一般競争入札を公告した。21年3月に落札者を決める。予定価格は200億円(税込み)。
 名古屋城二之丸(名古屋市中区)から名城公園北園(同市北区)に移転新築する県体育館の整備・運営に民間活用を導入する。想定延べ床面積は約4万3000㎡。建築面積は約2万㎡。メインアリーナは最大1万5000人の観客席を確保する。
 設計・建設期間は21年6月から25年3月まで。25年4月の供用開始を目指す。運営期間は55年3月までの30年。計画地は北区名城1の敷地約4.6ha。新体育館は、大相撲名古屋場所や26年に名古屋市と共催する第20回アジア競技大会の会場などに利用する。

新体育館イメージ

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