【現地の特性を生かす】戸田建設がブラジルで風力発電 日系企業にグリーン電力供給へ | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【現地の特性を生かす】戸田建設がブラジルで風力発電 日系企業にグリーン電力供給へ

 戸田建設は、新たに戸田インベストメント・ブラジルと、戸田エネルジア・ブラジルの現地法人2社を設立して、ブラジル北東部のリオグランデ・ド・ノルテ州アレイア・ブランカ市で発電出力27.72メガワットの風力発電事業に着手する。設立して49年の歴史を持つブラジル戸田建設の営業ネットワークを生かして、日系進出企業などの工場へのグリーン電力の供給に乗り出す。

周辺の発電所

 稼働開始は2021年7月を予定。戸田建設の100%子会社である戸田インベストメント・ブラジルの完全子会社・戸田エネルジア・ブラジルを事業会社にNORDEX製の3.465メガワットの風車×8基で発電・売電事業を手掛ける計画だ。
 建設業界での環境保全のトップランナーを目指して、いち早く事業運営を再生可能エネルギーで賄う「RE100」イニシアチブに加盟した同社として、グリーン電力の売電を通じて、供給先の企業とSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を含めたESG(環境・社会・企業統治)経営の実践を狙う。
 従来から発電源の構成として水力発電の割合が高いブラジルは、降雨量によって電力価格が影響を受けやすい。昨今の異常気象を起因とする干ばつなどで電力価格の上昇が起きるなど、現地企業の経営計画にとって電力調達コストの影響が小さくない。
 一方で、戸田建設が風力発電事業を展開するブラジル北東部のエリアは、世界的にみても年間を通して風況に優れた地域が存在することから、電力調達コストの安定化につながる陸上風力を中心とした再生可能エネルギーの開発が活況を呈している。発電設備の供給網や運営保守、送電・変電設備などのインフラの整備が近年、急激に進んでいるという背景もある。
 同社は日本での浮体式洋上風力発電やメガソーラー発電など再生可能エネルギー事業のノウハウを生かしながら、今後も従来の事業領域にとらわれない積極的な投資活動を行っていく方針を示す。

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