【医療用サポーター技術を応用】清水建設らがアシストスーツ開発 軽量&筋負担軽減を実現 | 建設通信新聞Digital

5月8日 水曜日

公式ブログ

【医療用サポーター技術を応用】清水建設らがアシストスーツ開発 軽量&筋負担軽減を実現

 清水建設とダイヤ工業(岡山市、松尾浩紀社長)は、医療用サポーターの技術を応用したアシストスーツ「ワーキングアシストAS」を開発した。ゴム製のため軽量で、スコップですくった土砂の投げ出し動作における脊柱起立筋の筋負担を10%程度軽減できる。9月内にダイヤ工業が販売予約を始める。

 工事現場の掘削作業は機械化が進んでいるものの、人手に頼らざるを得ない場面もまだ多く残されている。近年は多様なアシストスーツが開発されているが、掘削作業に特化したものはなかった。

 ワーキングアシストASはベスト型で、胸回りと腰回りのベルトを締めるだけで着用できる。ベスト背面の生地と、利き腕の肩から利き腕と反対の二の腕までを背面で結ぶ肩腕ゴムベルトで構成している。作業員がスコップを持って前かがみの掘削姿勢で土砂をすくう際に、背面の生地と肩腕ゴムベルトが伸び、土砂をすくい上げる際には両方の生地が縮もうとする力で作業をアシストする。腰回りのベルトで腰を固定できる骨盤コルセット機能も備えているため、作業姿勢を安定させて腰痛の発生を防ぐ。掘削作業だけでなく、重量物を両腕で持ち運ぶ作業の負荷も軽減できる。

 重さは電動タイプの8分の1に当たる約500グラムと軽量で、熱中症予防のため全体をメッシュ素材として脇下にアイシングセルを入れる保冷剤ポケットも設けている。

 ダイヤ工業の実験施設で実施した計測試験では、掘削動作の中で特に筋肉負担がかかるとされる、すくった土砂の投げ出し作業で筋負担を軽減できることが確認できた。

 ベスト1着と肩腕ゴムベルト2本をセットとし、3万3000円(税別)で販売する。カラーはブラックで、サイズはM、L、XLの3種類。農業や宅配、介護などの現場への展開も進める。

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら