【日本を明るく照らす】東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」 見えてきた街の姿 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【日本を明るく照らす】東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」 見えてきた街の姿

 三菱地所が中心となって東京都千代田区・中央区で建設を進めている「東京駅前常盤橋プロジェクト」(大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業)。その街区名称が「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」に決まった。高さ日本一となる約390mのB棟「Torch Tower(トーチタワー)」の計画もほぼ固まりつつあり、容積率の追加に伴い当初計画からデザインや機能を見直した。上層部のホテルや低層部のホール、建物高さを生かした水力発電など、新たな機能を織り込む見通しだ。トーチタワーは2023年度の着工、27年度の竣工を目指す。

TOKYO TORCH開業時外観(街区北より)


 トウキョウトーチという街区名称には「Torch」という灯りのイメージと、プロジェクトビジョンである「日本を明るく、元気にする」を重ね合わせ、常盤橋街区が日本を明るく照らす希望の灯りのような存在を目指すという思いを込めた。9月の記者発表の席上、吉田淳一社長は、「トウキョウトーチは、たいまつ、明かりとしての存在であり、日本や世界に対する希望の明かりとしたい。デザインとしてもそれを表現している。唯一無二のまちづくりを進める」と意気込んだ。

 シンボルとなるトーチタワーは、地区内の容積率の引き上げに伴い施設計画を変更する。日本橋エリアの首都高速道路地下化、東京駅周辺の地下歩行者ネットワーク整備などの協力を前提として、容積率の最高限度が従来の1760%から1860%に引き上げられることになった。この見直しに伴い、上層部や低層部などのボリュームが拡大する。建物高さは当初計画から変わりない。

Torch Tower(B棟)外観


 施設規模は、63階建て延べ約54万4000㎡とし、当初計画から延べ床ベースで1割程度拡大する。最上階には展望などが可能な都市観光施設を設置し、その下には約100室の国際的な高級ホテルを配置する計画だ。低層部は、建物北東部分がカーブを描いてせり出すデザインに見直し、内部に大規模ホールなどを整備する。ホールは国際会議などを開催でき、ライブや文化発信など多様な拠点としての活用も想定している。

南西方向の眺望イメージ


 トーチタワーのほか、約7000㎡の大規模広場のデザインの検討に向けては、コアアーキテクト・デザイナーの三菱地所設計と次世代を担う3人のデザイナーとのデザインチームを組成した。コアデザインは三菱地所設計の松田貢治常盤橋プロジェクト室長、頂部のデザインは藤本壮介建築設計事務所主宰の藤本壮介氏、低層部デザインは永山祐子建築設計事務所主宰の永山祐子氏、広場デザインはFdLandscape(神奈川県藤沢市)代表の福岡孝則氏がそれぞれ担う。

 トーチタワーでは、建物全体を殻のように包み込むアウトブレースを効果的に利用した外殻制振構造を採用することで、地震時や強風時の揺れを大幅に低減し、国内最高水準の耐震性能を目指す。62階と屋上には、屋外空間併設の展望施設を整備し、都心を眼下にしながら遠く富士山を臨むことができる。

 57-61階には、眺望と世界水準のホスピタリティーを提供する国際級ホテルを誘致する。57階のホテルロビー階は、300m超の高さでありながら、外気を取り入れるデザインを採用する計画だ。

Torch Tower(B棟)57階ホテルロビー


 一方、低層部の3-6階には現代の芝居小屋をモチーフにした大規模ホール(約2000席)を整備する。隣接する大規模広場ではコンテンツ連動により、ダイナミックなイベント展開が可能となるほか、災害時の帰宅困難者の一時滞在施設、全天候対応の一時滞留スペースなど活用し、帰宅困難者支援機能を強化する。

Torch Tower(B棟)1-6階空中散歩道


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