【土木と社会の結び付きが"ボーダレス化"】「土木学会デザイン賞2020」受賞12作品が決定 | 建設通信新聞Digital

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【土木と社会の結び付きが”ボーダレス化”】「土木学会デザイン賞2020」受賞12作品が決定

 土木学会(家田仁会長)は16日、「土木学会デザイン賞2020」の授賞12作品を公表した。最優秀賞には「山国川床上浸水対策特別緊急事業」「東京駅丸の内駅前広場及び行幸通り整備(東京駅丸の内駅舎から皇居に至る一体的な都市空間整備)」「東部丘陵線-Linimo-」の3作品を選んだ。授賞式と受賞者プレゼンテーションは、2021年1月23日に土木学会講堂(東京都新宿区)で開く。

 中井祐景観・デザイン委員会デザイン賞選考小委員会委員長は、16日の会見で「造園、都市計画など応募作品が多様化する中で、今回の受賞作品は土木的なものが多かった」とする選考結果の特徴に触れつつ、土木と社会との結び付きが「ボーダレス化している」との認識を示した。

 最優秀賞3作品は「いずれも質が高かった」とし、山国川床上浸水対策は「名勝耶馬渓の風景に溶け込みつつある」、東京駅丸の内駅前広場・行幸通り整備は「風格ある首都東京の『顔』を創出するデザイン」、東部丘陵線は「統一性のある、洗練された構造物」と評価した。

 また、「コロナ禍で応募数が減少するのではないかと懸念していたが、前回を上回る応募数が集まった。審査する上でも(コロナ禍の)影響はあまり感じられなかった」ことを強調。次回以降も「審査作業は非常に繊細なので対面を基本とするが、オンラインをうまく組み合わせながら対応していきたい」と述べた。

 同賞は01年に創設。優れた公共空間や構造物の設計を通じて土木デザインの重要性を社会に問うとともに、周辺環境と一体となった景観の創造、保全を実現した作品を顕彰している。今回は計20件の応募があり、「治水分野、自治体を事業者とするものが増えた」(中井委員長)という。最優秀賞3作品、優秀賞4作品、奨励賞5作品を選定した。

山国川床上浸水対策

東京駅丸の内駅前広場

東部丘陵線

 最優秀賞以外の授賞対象作品は次のとおり。
 〈優秀賞〉
 ▽勘六橋▽京都市四条通歩道拡幅事業・歩いて楽しいまちなか戦略事業▽瀬の再生と土木遺産の再現・八の字堰▽虎渓用水広場。
 〈奨励賞〉
 ▽大分昭和通り・交差点四隅広場▽百間川分流部改築事業▽高山駅前広場及び自由通路▽奈義町多世代交流広場「ナギテラス」▽浅野川四橋の景観照明。

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