【設備メンテナンス支援】弘栄ドリームワークス 立命館大が開発の配管探査ロボを実用化 | 建設通信新聞Digital

5月13日 月曜日

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【設備メンテナンス支援】弘栄ドリームワークス 立命館大が開発の配管探査ロボを実用化

 弘栄ドリームワークス(山形市、菅原康弘社長)は、立命館大理工学部ロボティクス学科生物知能機械学研究室の馬書根教授と加古川篤講師が開発した「連結車輪型配管内検査ロボット:AIRo」を実用化し、パイプ探査ロボット「配管くん」として提供している。

 「AIRo」は、複数のジグザグ型リンクを備えたロボットで、関節に備わったバネにより車輪を配管内壁に押し付けることで、水平だけでなく垂直の配管内も走行可能な自走式ロボットだ。3インチ(約75mm)から4インチ(約100mm)までの内径に対応しており、車軸とリンク間の関節軸を同一直線状に配置させることで曲管走破性を損なわずに小型化を実現している。また、先端と後端に備わった球状車輪でロボットの姿勢を配管軸回りに転がすこともできる。これにより、3次元的に複雑に曲がりくねった配管に対しても素早く確実に適応できるだけでなく、手元の操作が直感的で分かりやすくなっている。

 「配管くん」は「AIRo」の技術をベースに、前後にCMOSカメラとLED、ジャイロセンサー、角速度計を搭載した。直径100~150mmの配管内を自由に移動しながら内部の映像を撮影し、配管の状況を確認。配管の位置も計測し、配管の診断と図面作成を実現することで、設備のメンテナンスやリニューアル工事の提案を支援する。

 弘栄ドリームワークスは、リニューアル工事に不可欠な設備診断のためのツールとして開発を進めてきた、配管の内部を検査できるロボットに最も適した技術として「AIRo」に着目。

 2018年から技術協力を受け始め、20年11月からは拠点である山形県内の学校や公共施設での試験導入も進め、実用化した。

 今後の展開としては、さまざまなサイズ・形状・材質のパイプに適した探査ロボットのニーズが数多く寄せられていることから、ロボットのバリエーションを増やし、ユーザーの多様なニーズに対応できるよう準備を進めていく。また、工場・プラントや社会インフラなど、特殊用途のロボットのニーズも多々あるため、市場動向を踏まえてさらなる開発に取り組む。

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