【工期とコスト約20%削減】仮設桟橋を急速施工「トライピア工法」 鹿島・ヒロセが開発 | 建設通信新聞Digital

5月11日 土曜日

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【工期とコスト約20%削減】仮設桟橋を急速施工「トライピア工法」 鹿島・ヒロセが開発

 鹿島とヒロセは、工事用仮設桟橋を急速施工できる「トライピア工法」を開発した。桟橋構築の工期とコストをそれぞれ約20%削減できる。ヒロセの資材ヤードで実証実験した上で、現場に試験適用し、有効性を確認した。

工法の概要


 仮設桟橋は、山岳部での橋梁、トンネル、ダムなどを施工する際の工事用道路などとして構築する。桟橋構築の工期が全体工期に影響し、中でも桟橋構築工期の5割を鋼管杭の打設作業が占めている。鋼管杭は、一般的に1ピア当たり4~6本必要で、桟橋上から急傾斜面に鋼管杭を打設する際は打設位置のずれを防ぐため、調整用の架台を打設のたびに斜面に配置する必要があり、架台設置時の滑落リスクや杭打設時の上下作業など、安全面の課題もある。

 トライピア工法では、鋼管杭を正三角形に配置することで、3本という必要最小限の杭本数でピアの橋軸・橋軸直角方向の剛性を確保し、最大16mのスパンを確保できる。専用のガイド桁で鋼管杭の頭部を固定するため桟橋上から正確に打設でき、斜面への打設位置調整用の架台設置が不要になる。3本の鋼管杭をつなぐ斜材・水平継材の取り付けには、専用ゴンドラを使う。杭本数が減るため工期・コストが削減できるほか、専用のガイド桁やゴンドラの使用で安全性が向上する。

 工法の開発に当たり、ヒロセの資材ヤードでガイド桁のスライド試験を実施し、現場での試験適用では正三角形に鋼管杭を打設して専用ゴンドラを使って斜材などを取り付けた。

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