【ニューノーマルの最新トレンドを紹介】TOTOが「学校トイレセミナー」オンライン開催 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【ニューノーマルの最新トレンドを紹介】TOTOが「学校トイレセミナー」オンライン開催

 ニューノーマルに対応した学校トイレのあり方とは――。新型コロナウイルスの流行を背景に教育現場でも感染症対策の重要性が叫ばれる中、TOTOは16日、「学校トイレセミナー」をオンライン方式で開いた。ニーズが高まっている手洗い蛇口の非接触化(自動水栓)を始め、学校トイレの環境改善に関する最新のトレンドが紹介された。

非常事態宣言を受けセミナーはオンライン配信に変更した


 同社は毎年教育施設のトイレ環境改善をテーマとしたセミナーを「TOTOテクニカルセンター大阪」(大阪市)で開いているが、非常事態宣言を受け今回は同センターからのオンライン配信に変更し開催。設計事務所の担当者を始め、自治体関係者や学校関係者などが参加した。

 同社のほかアイカ工業、オカムラ、木村徳太郎商店、ユーホーニイタカ、ロンシール工業が参加している「学校のトイレ研究会」が実施したアンケートの結果や、感染症の専門家・木村博一群馬パース大大学院教授へのインタビューが紹介された。

 木村教授はインタビューの中で「飛沫が飛び散りにくいという点で便器は洋式が望ましい」「床を水で流しても菌は流れない」「液体石けんと自動水栓は必須」など、新型コロナウイルス対策の観点からトイレ環境改善の重要性を強調した。

 また最新の学校トイレとして外日角小(石川県かほく市)や、あまよう特別支援学校(兵庫県尼崎市)の事例紹介もあった。

 同社はこれまでも学校トイレへの洋式便器導入や湿式床の乾式化(ドライ床)を積極的にアピールしてきたが、新型コロナウイルスの流行により教育関係を始め、幅広い分野から自動水栓に対する引き合いや問い合わせが急増していることを受け「衛生意識の高まりに少しでも応えていきたい」(広報部佐藤主税氏)と、対応を強化していく考えだ。

コロナ禍を背景に自動水栓の需要が急増している(写真はTOTOの取り替え用水栓「アクアオート」)


 一方で、関西地区は学校トイレの環境改善が進んでいないというデータもある。文部科学省が20年9月に公表している公立小中学校の洋式トイレ導入調査によると、全国平均(57.0%)を上回ったのは60.9%の兵庫県のみ。46.9%の和歌山県や奈良県(48.6%)、大阪府(48.9%)など、2府3県で平均を下回っている。

 同センターの川路直彦館長は「学校施設は大規模災害発生時に避難所としての役割を担うことも多い。バリアフリーやLGBTへの配慮といった観点からも、トイレの環境改善を前向きに考えてもらいたい」と話す。

 セミナーは24日にも開催を予定しているが、既に定員に達しているため募集は締め切っている。



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