【BIM未来図】設計BIMの2020年代を考える④ | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

B・C・I 未来図

【BIM未来図】設計BIMの2020年代を考える④

BIM活用で働き方の多様化進む/横のつながりがスムーズに
三橋設計設計部(設計担当部長) 伏見歩氏
三橋設計設計部(課長補佐) 高島史弥氏
三橋設計設計部(主任) 大橋龍二氏

 2010年12月からBIMを使い始め、現在では設計スタッフのほとんどがBIMソフト『Archicad』を使っている。今回は設計体制の改善、コロナ禍でのリモート設計、東京・名古屋事務所間の連携について紹介する。

 手探りの導入当初から現在は新入社員から40代までがArchicadを使用している。2次元CADより早く、施主に分かりやすい図面を提供し、仕事の効率化・品質向上につなげている。

 会社設立からのノウハウが「三橋テンプレート」構築に役立ち、社内普及が進んだ。特徴は、長年使い続けてきた汎用CAD『JWCAD』との親和性だ。チーム体制は、2-4人で構成し、Archicadに精通している人を配置する。人材育成や改善点の洗い出しにより、定着を図る。

 BIMで重要となるフロントリーディングを意識して取り組んだ事例の検診センターでは、基本設計からArchicadを使うことで、立体的・視覚的に打ち合わせでき、手戻りが減った。

 コロナ禍でのリモート設計について、生産性の低下が懸念されていたが、クラウド内で図面調整ができ、通勤がなくなったことにより、働き方の多様化が進んだ。

 リモート設計を可能にしたのはArchicadだ。チームワーク機能で横のつながりがスムーズになり、メンバーと同時に作業する場合も常に最新の図面をリアルタイムで見ながら作業ができた。図面管理担当者もメンバーの状況をすぐに確認できる。ウェブ会議も増えており、図面と3Dモデルを画面に共有し、説明することで理解度を高めている。

 東京と名古屋事務所の連携について、各事務所でテンプレートを構築後、BIM推進チームを立ち上げ、社内テンプレートを統合した。今後はデータを一括管理し、東京・名古屋間を跨いだプロジェクトメンバーを構成することで、会社全体の作業量の平準化や効率化、経費削減、労働環境を改善する。

1階面談待合(右上)と2階ドッグ待合(右下)イメージパース



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