【働く人の幸せ実現】働き方改革モデル企業の朝日建設 約5カ月にわたる取り組みの成果は? | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【働く人の幸せ実現】働き方改革モデル企業の朝日建設 約5カ月にわたる取り組みの成果は?

 朝日建設(富山市、林和夫社長)が取り組む働き方改革が成果を上げている。富山県が募集した働き方改革のモデル企業に選ばれ、約5カ月にわたり事務社員の働き方を見直し、残業時間の削減や業務量の平準化を達成した。林社長は「働き方改革は働く人の幸せを実現することが目的だ」と力を込める。

 同社は富山県が2020年度から始めた「中小企業の働き方改革モデル取組事例創出事業」のモデル企業に応募、採択され、9月から専門コンサルタントの支援を得ながら働き方改革に取り組んだ。

 林社長が働き方改革推進統括者、新元敏治総務部次長が働き方改革推進リーダーをそれぞれ務め、総務、営業、工事各部の事務社員など総勢9人が参加。互いに業務内容や課題などを共有し、より良い職場環境へのアイデア提案とその実践を目指した。

 情報共有に向けては、毎週のミーティングでアクションシートを活用。働き方の課題や取り組む対策などを盛り込み、その進捗を管理した。加えて、会議の司会をローテーションするなど参加メンバーの当事者意識を醸成した。毎月の事務担当者会議ではウェブ会議システムも活用することで全員が参加。業務内容などを共有し、一体感を高めた。

毎月の事務担当者会議ではウェブ会議システムも活用し全員が参加した


 日々のスケジュールの共有にはグループウェアのサイボウズを活用した。各事務社員が互いの予定を常に確認することで、仕事をカバーし合い仕事の平準化や残業時間の削減につなげた。

 残業申請は終業2時間前までとし、残業の必要性や協力体制の構築を早めに判断。残業時間は取り組み開始前の7カ月平均が3.3時間だったのに対し、取り組み開始後の5カ月平均は0.8時間まで減少した。

 昼休憩時は執務室を消灯し、会議室で昼食をとるなどオンとオフのメリハリを促した。休憩中のコミュニケーションも活発となり、午後からの仕事の能率向上につなげた。

 ペーパーレス化も着実に進めているほか、1月には働き方改革の一環で定年齢を従来の65歳から70歳まで引き上げ、選択定年制を導入した。

 3日に開かれたモデル企業最終報告会には林社長や新元次長らが出席し、成果などを発表。林社長は「働くことや人の役に立つことは本来楽しいこと。参加した社員が自分の仕事を見直すことで、仕事も含めた人生が変わり幸せになることを願っている」と話した。加えて「本丸は現場の技術者の時間外労働をどう減らすかだ。手強いがそれだけにやりがいがあり、まだ改善の余地はある」と職場環境のさらなる改革に意欲を示した。

3月3日には富山県主催の最終報告会が開かれ、これまでの取り組みや成果を発表した



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