【公開審査をライブ配信】第33回千葉県建築学生賞 最優秀賞は"大谷石採掘場跡にワイナリー" | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【公開審査をライブ配信】第33回千葉県建築学生賞 最優秀賞は”大谷石採掘場跡にワイナリー”

 千葉県内の建築関係4団体は13日、千葉市の同市文化センターで第33回千葉県建築学生賞(千葉県建築卒業設計コンクール2021)の大学の部を審査した。最優秀賞には東京理科大理工学部建築学科の前橋宏美さんによる「石にトドマリ、石を感じるワイナリー」を選定した。最優秀賞と優秀賞2作品の計3作品は日本建築家協会(JIA)全国学生卒業設計コンクールの千葉県代表となる。

前橋さんと作品模型


 最優秀作品の舞台は前橋さんの地元、宇都宮市にある大谷石採石場跡地。採石場の食物の貯蔵・熟成に適した特性、採光が豊富な斜面地の特性を生かし、採石や石の加工を感じられる崖にワイナリーを設けることを提案した。具体的には崖を掘り込んで空間を生み出し、2mスパンの身体スケールのブドウ棚と架構が一体となってつながりながら崖を覆う。掘り込んだ空間内にはワイナリーやレストラン、温浴施設、宿を設ける。「卒業設計は栃木のものでやりたかった」と言い、コロナ禍で学校の利用が制限されたため1-3年生の協力なしに自宅で模型を作り上げた。

 新型コロナウイルス感染症のリスク軽減のため、19年度に続き公開審査はユーチューブでライブ配信。14日は作品を一般公開した。来場者投票の市民賞も19年度と同様に中止した。

 同賞はJIA千葉地域会、日本建築学会関東支部千葉支所、県建築士会、県建築士事務所協会で構成する県建築学生賞協議会(田端友康会長)が主催。県内5大学9学科・短期大学校1校からの18作品、工業高校2校からの4作品を展示した。約60者が協賛し、日刊建設通信新聞社東関東支局などが後援した。

公開審査の様子


 最優秀賞のほかの受賞者は次のとおり(敬称略)。
 〈優秀賞〉山戸善伸(日本大理工学部海洋建築工学科)=「未成熟の遺産~住×遺産×植林×観光の交わる足尾銅山転換計画~」▽内野佳音(同大生産工学部建築工学科)=「綴く半透明の物語」。
 〈特別賞〉下田ことみ(同学科)=「ヨハクリング~余白から鼓動した本当にいい病院のあり方~」▽森田雅大(千葉大工学部総合工学科建築コース)=「建築美幸論」。
 〈特別審査員賞(イタリアからウェブ参加した建築家でボローニャ大学教授のアントニオ・エスポジト氏選出)〉馬渕望夢(同コース)=「虚構と現実の狭間で」
 〈JSCA千葉賞〉柿添蓮(千葉大工学部総合工学科都市環境システムコース)=「江戸薫る橋架~点在する文化財を繋ぐ後継者養成施設~」。
 〈なの花賞〉佐藤伶香(千葉工業大創造工学部建築学科)=『雪とともに住まう-「溶かす」から「と化す」-』。



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